【レポート】R3年度・長野県教育委員会×マイプロジェクト「【探究×進路】伴走者フォーラム@高校生学びのフォーラム長野」
7/2(金)、Onlineにて「【探究×進路】伴走者フォーラム@高校生学びのフォーラム長野」が開催されました。
(主催:長野県教育委員会、運営:認定特定非営利活動法人カタリバ・一般社団法人ウィルドア)
長野県の高校の先生方を対象にした勉強会で、マイプロジェクト的な要素を参考に、
各校での探究の取組みを加速する・推進しやすくするヒントを得ていただくことを目的としています。
今回のテーマは【探究×進路】。長野県内の約16の高校などから27名がご参加されました。
※「高校生学びのフォーラム長野」は、今回の伴走者フォーラム、
7月25日(日)スタートアップ&ブラッシュアッププログラム、
10月末中間報告会、12月全国高校生マイプロジェクトアワード長野県Summitの一連の流れを指します。
「長野県における『探究的な学び』を、生徒が主体的に課題を発見し、
自らの力で解決に向けて試行錯誤する学習へとステップアップさせる」ことを目的とした事業です。
まずは長野県教育委員会事務局高校教育課高校改革推進役・内堀繁利先生のご挨拶・趣旨ご共有の後、
グループに分かれて自己紹介・探究に関して現在持っている問いを共有いただく時間。
「本校では高3から本格的な探究活動が始まるが、進路につなげていくには忙しい。何か工夫ができないか」、
「生徒のワクワクをどのように探究に繋げていってあげられるか」、
「探究と進路の関わりについて、職員間で認識をどうすり合わせながら高めていけるか」という声が上がっていました。
続いて「探究を進路にどう接続するか?」をテーマに、
北海道登別明日中等教育学校の太田稔教諭から事例共有をいただきました。
そもそも何のために探究を行っていくのか?というゴールの部分から、
そこに向けて非常にキーとなる「内発的な動機からはじまるテーマ設定」、
そして実際の高校生の学び・成長・進路につながった具体の姿が印象的でした。
事例共有を踏まえ、質疑応答・グループでの対話。下記にやりとりの一例を共有します。
■テーマ設定は難しさがあると感じている。詳細の流れを知りたい
→全体では2ヶ月くらいかける。マインドマップで自分の興味関心の可視化、
外部サービスも活用しながら大学の講座動画視聴などで、キーワードをかためていく。
チームを組む際もプラカードでキーワードを見せあい、自分たちで組む。その後に改めてテーマを決める。
■内発的な動機から始まるテーマをどのように全体でつくっていけるのか?
→意欲が上がりきらない生徒は一部いる。全員に対しては、マトリクスで整理した探究のレベルの中で
最低限ここまでは到達しようというゴールを示し、そこは目指そうということで流れをつくっている。
探究的な学びに向けての「内発的な動機からはじまるテーマ設定」について、
全員が100%それを実現できるかといわれれば難しい、ということがリアルな側面だろうと思います
(他の教科や学校での取組以外でも、ある事象にすべての人が熱中できるか?ということと同様に)。
最後のご挨拶をいただいた長野県教育委員会事務局
学びの改革支援課教育幹兼高校教育指導係長・廣田昌彦先生も
似た部分に触れておられたのですが、探究において、
①最低限のゴール・教育目標をどこに定めて、そこを全員がいかに実現しうるかということと、
②ある種「探究の高度化」によって学び・成長が指数関数的に伸びていくことの確率をどう高めていけるのか。
この辺りが「高校生学びのフォーラム長野」の中でもこれから大きなテーマになるだろうと感じています。
次の機会は高校生向けのスタートアップ&ブラッシュアッププログラム。
課程内で探究を進めている高校生が、他の高校生と出会い、
「内発的な動機」などをはじめとしてマイプロジェクト的な要素を再認識することで、どのように探究が進化していくのか。
次回のレポートでお届けしていきます。どうぞお楽しみに!
(認定特定非営利活動法人カタリバ・山田)