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高校生の数だけ、プロジェクトがある!みんなのマイプロ

守りたい!地域の祭 = コミュニティ

マイプロレポート

あなたのマイプロについて教えてください!

Q.プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください

私が住む山口県萩市大屋地区には江戸時代から続く「伊達小荷駄(ダテコンダ)」と言われる布団を重ねて飾る、ユニークな祭があります。伊達小荷駄は、萩市にある金谷天満宮の奉納行事の一つで、60年前までは重ねた布団を馬に乗せ、子供たちと町内を練り歩く等、地区をあげて行っていましたが、だんだんと簡素化され、現在は公会堂に一昼夜布団を飾り置くだけとなっており、地域住民であってもその存在を知らない人がいます。私は萩市が大好きで、ここで暮らしていることを誇りに思っているのですが、この祭りの現状から、地域の衰退を見るようでとてもさみしく感じました。そこで、地域の伝統文化とコミュニティを守り、ずっと住み続けられる町であってほしいとの思いから、この祭りの継承を探究することにしました。

Q.プロジェクト/探究の実施内容を教えてください

まずは伊達小荷駄を知るために現地調査や文献調査を行いました。次に認知度を調べるために、地域の小中高生にアンケートをとったところ、認知度が非常に低かったことから、祭りを見たことがある世代の高齢化と、若い世代への伝承がなされていないことが衰退の原因ではと考えました。このことから伊達小荷駄を若い世代に伝えるにはどうすればよいか考え、以前のような形で祭りを復活させられないか、町内会会長に相談したところ、地域住民の高齢化に加え、増加した移住者の祭りへの関心が低いことから、難しいのではと言われました。それを確かめるべく、大屋地区の世帯入替調査を行った結果、住人の3分の1が新規流入者であり、祭りについてのアンケートでも、旧住民に比べ、関心が低いことが分かりました。そのことから、この祭りの存続のためには、若い世代だけでなく、新規住民にも関心を持ってもらう必要があると考えました。そこで、PRする機会を作るために、祭りの運営に参加したところ、祝い歌というこの祭りで歌われる歌があるが、口頭伝承ゆえに、消えかかっていることを知りました。まずはこの祝い唄を守ることが伝統文化を保全し、PRするきっかけにもなるのではと思い、祝い唄の動画をインターネットにアップ、QRコードを載せたポスターを地域に貼り、住民の方に周知しました。今後の展望としては、無形文化の保護の必要性を活動を通して感じたことから、他の地域の無形文化の保護にもつなげられるよう、各地の無形文化のレッドデータサイトが作れないかと思っています。

Q.プロジェクトを通して学んだことを教えてください

探究を始めた当初、「祭は始まったままの形で継承されるべきである」と考えていました。しかし簡素化された今の伊達小荷駄は、地域の全世帯が順番に運営に携わることとなっており、これは新・旧の住民がコミュニケーションを図る絶好の機会になっていると、祭の運営に参加し気づきました。近所にどんな人が住んでいるのか知ることは、緊急時の共助にも有効ではないかと思い、現在のこの祭りの役割は、神様をまつることだけではなく、地域の新・旧の住人達が協働するきっかけであり、「地域のコミュニティを守る存在」なのだと感じました。そして、祭りはどんな形であっても続けていくことに価値があるのだと思うようになりました。今後もこの活動を継続し、次の世代に「伊達小荷駄」をつないでいきたいと思います。そして、この探究を通じて、自分から生まれた疑問を客観的にとらえることで一歩引いた立場から分析すること、感覚に頼らない論理的な調査が有効であり分野横断的な学びの大切さも知りました。

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