東日本大震災を知らない世代に伝承をしていき、二度とあのような犠牲を出さない未来を目指しています。わたしは語り部の活動をしていますが、震災をした人にとって当時の話をすることは、ハードルが高いことでもあります。しかし、歴史的にみても、伝承されていた地域は犠牲者が少なく、伝承することは重要です。そこで、わたしが考えた方法が、A4の白い紙一枚で感情を表現し、話してもらうことです。あの日あの時どのような思いで生き延びたのか、震災を知らなくても教科書やニュースでは教えてくれない、見えない人の感情にフォーカスを当て、伝承していきたいと思いました。

1年生の冬には、55名以上の方に個別でヒアリングも交えながら実施し、2年生の冬には、オンラインワークショップを開催しました。ワークショップにすることで、その場で自分の言葉でたくさんの人に共有することができ、オンラインということで、遠くの人にも参加してもらうことができました。また、2年生の冬には子供向けに、震災のイメージを紙で表現してもらうワークショップを行いました。

人との関わりが必須となるプロジェクトであるため、知らない人とでも話せるようなコミュニケーションのとり方を学びました。「相手がどれだけ嫌な思いをせずに帰れるか」考えた末、何気ない会話や遠回りをして、答えを導くというアプローチの仕方もあると学ぶことができました。また、やってみたいことを実践するためのプロセスを考えることによって、物事を順序よく考える力も身についたと思います。そして、「ありがとう」の気持ちはいつ何時でも忘れてはいけないんだと感じる瞬間が多々あり、これからも周りの人への感謝を忘れずに行動していきたいと思いました。