楽しみの自己強化ループ(静岡県立川根高等学校) | みんなのマイプロ | マイプロジェクト
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高校生の数だけ、プロジェクトがある!みんなのマイプロ

楽しみの自己強化ループ(静岡県立川根高等学校)

マイプロレポート

あなたのマイプロについて教えてください!

Q.プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください

 探究の目的は、「他出子予備軍がより地元へ帰省したくなる要素は何か」を動機付けの観点から明らかにすることです。
 地元から出ていった子供を「他出子」といいますが、中山間地域に位置する私達の町は10代後半の90%以上が進学や就職に伴い他出子となり、高齢化率も50%を超えており、数ヶ月後には進学して地元を離れる私達は、他出子予備軍です。
 私達が他出しながらも、大好きな地元の衰退を食い止められる方法はないだろうか。地方からの人口流出は全国的な課題ですが、既存の議論では居住地選択の決定要因ばかり問われているため、人口問題を他出子論(年一回の帰省だとしても、地元との繋がりさえ維持していれば、地元の一員ととらえることで、集落存続の可能性があるという考え方)から捉え直し、他出子のポジティブな帰省を促すことで地元の未来を明るくしたいと思い、私達の探究は始まりました。

Q.プロジェクト/探究の実施内容を教えてください

 まず、「地元へ帰省しようとするときはどんなときか?」調査するため、人口問題に関する先行研究を50本以上調べ、独自の質問項目を加えながらアンケートを作成し、同級生全員にアンケートを実施しました。その結果、「叱られるから・仕方ないから・必要だから・やりたいから」の4つの因子が抽出されました。「必要だから」については、先行研究でもなかったため、これまで漏れ落ちていた視点なのではないかと考え、そこから示唆を得て、ポジティブな思いで帰省するためには「必要だと思える”楽しみ”」が鍵になるのではと考えました。
 次に、「どんな楽しみがあれば地元へ帰省したくなるか?」考えるため、町役場が地域振興に向けて進行中の事業について調査を行い、事業の一つであるアウトドアサウナ建設に着目しました。そして、実際に体験してみることで、「その楽しみにはどんな要素があるか」分析しました。その結果、”楽しい”には「一体感がある・気づきがある・自己開示ができる・感情共有できる」の要素があるのではと考えました。
 そして、ここまでの結論として、他出子がポジティブな思いで帰省するためには、「必要だと思える楽しみ」があること、「一体感・気づき・感情共有・自己開示があること」が重要と理解し、そうした経験をするなかで、思いが強化され、次の行動に繋がり、ループになるといった「楽しみの自己強化ループ」を回すことが、他出子がポジティブな帰省をしたくなる心のメカニズムなのではないかと考えました。

Q.プロジェクト/探究を通して学んだことを教えてください

 探究を通して学んだことは、段階を踏んで考えを発展させる大切さです。独りよがりの研究になったら嫌だと思って他者に説明したり意見交換をしたりする機会を多く持ちましたが、毎回のように「話が飛躍している」と言われたり、論破されてしまったりもしました。その都度、なぜその研究をやるのか、研究の目的は何かに立ち返りました。この繰り返しで湧き出る小さな「なぜ?」を追究したり、実際に体験して五感で感じたりすることを整理していくうちに、少しずつ伝わるように伝えられるようになりました。
 小さなことでも自分の意見を出して、周囲を積極的に頼りながら丁寧に順を追って研究を進めていくことは、後々発表や意見交換などにも役立つことに気づきました。

 

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