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05/29更新版

2025.05.29

  • #レポート

未来を切り拓く、高校生たちの学びの姿「全国高校生マイプロジェクトアワード2024 全国Summit」開催レポート

全国高校生マイプロジェクト実行委員会(運営:認定特定非営利活動法人カタリバ)は、「全国高校生マイプロジェクトアワード2024 全国Summit」を、2025年3月28日(金)から30日(日)、東京大学 伊藤国際学術研究センターで開催しました。

「全国高校生マイプロジェクトアワード」は、つくりたい未来に向けてアクションしてきた全国の高校生が集い、学び合い、ともに次の一歩を考える場です。2013年度より毎年開催しており、今回で12回目を迎えました。

昨年末から各地で開催されたアワードのフィナーレとなる全国Summit。3,250プロジェクトのエントリーの中から選出された48プロジェクトの高校生が招待され、3日間にわたって発表と対話を通じて、それぞれの学びを深めました。

<目次>

●各地の学びのロールモデルとして集結した48プロジェクト

●産官学の第一線で活躍する大人たちが高校生への助言役として参加

●Kickoff Day:全国から集う同世代たちと交流し、学びに臨む

●Day1:すべてのプロジェクトによる発表とサポーターとの対話

●Day2:代表発表と共創セッション、それぞれの学びが繰り広げられた最終日
-アーカイブ動画①「長崎のアオリイカ(長崎南山高等学校)」
-アーカイブ動画②「EnglishLens~小学生に主体的で楽しい英語学習を~(群馬県立高崎高等学校)」

●受賞結果

●アーカイブ動画のご案内

 

各地の学びのロールモデルとして集結した48プロジェクト

2024年12月〜2025年2月にかけて18府県+オンラインで地域Summitが開催。そこへの参加とその後の選考を経て、48のプロジェクトが全国Summitに招待されました。

テーマは地域活性化やAI活用、防災など多岐にわたり、いずれも高校生自身の興味関心を起点とした多様な取り組みが集いました。

出場した48プロジェクトの一覧は、こちらからご覧いただけます:https://join.myprojects.jp/viewing2024#allstarteam2024

48プロジェクト「All Star Team」の高校生とファシリテーターのみなさん

 

産官学の第一線で活躍する大人たちが高校生への助言役として参加

高校生とともに活動を振り返り、対話を通して高校生の学びを深める「サポーター」には、東京大学総長の藤井輝夫氏やQuizKnockの伊沢拓司氏をはじめ、産官学の各領域の一線で活躍する大人にご参加いただきました。

サポーターの一覧はこちらからご覧いただけます:
https://join.myprojects.jp/viewing2024#supporter

Day2サポーターのみなさん

Day1サポーターのみなさん

 

また、マイプロジェクト経験者や、各地で教育支援や高校生の探究伴走に関わる大人たち37名が、高校生の発表準備や発表後の振り返りのサポートをする「ファシリテーター」として参加、3日間にわたって高校生に寄り添い、学びを支えました。

高校生の学びの支援に関心を持つ企業の方々や観覧の方々など、参加者以外にも多くのみなさまにお越しいただき、3日間を通じて600名以上が来場する熱気あふれる場となりました。

さらに、YouTube配信には約1900名の視聴申込があり、オンラインでも多くの方々にご関心を寄せていただきました。

 

Kickoff Day:全国から集う同世代たちと交流し、学びに臨む

全国Summit初日となる3月28日(金)は「Kickoff Day」として、参加高校生同士の交流と、3日間の学びを最大化するための準備を目的に、グループワークを中心としたプログラムを実施しました。

参加高校生同士やファシリテーターとの対話を通じ、全国Summitを通して自分が何に向き合い、どんな学びを得たいかを言語化し、そのためにこの3日間をどう過ごせるとよいかを深める機会となりました。

自身のプロジェクトを通じたこれまでの経験について語り合う高校生たち

ファシリテーターと一緒にワークに取り組む高校生

 

Day1:すべてのプロジェクトによる発表とサポーターとの対話

3月29日(土)の「Day1」には、48プロジェクトによる発表が行われました。高校生たちからは、プロジェクトに対する想い、実際にアクションを起こしてきたからこそ得た学びや想いの変化が語られました。

サポーターとの対話では、ロールモデルの選出のための単なる質疑応答にとどまらず、高校生自身やプロジェクトの次の一歩を促すフィードバックや問いかけも行われました。発表する高校生にとっても、そして観覧している高校生にとっても新たな気づきが生まれる時間となりました。

「将来やりたいことが見つからない」という自分自身のモヤモヤをきっかけに、高校生と企業の方との交流機会づくりに取り組んだプロジェクトについて発表する高校生たち

サポーターからは、他者の巻き込み方や対象へのアプローチに関する問いが投げかけられ、次の一方を後押しするフィードバックが送られた

 

全プロジェクトの発表の終了後には、サポーターより総評、そして、翌日のDay2で発表を行うプロジェクトが伝えられました。

Day2で発表を行うプロジェクトに選ばれた高校生へ、拍手を送る高校生たち

 

そして、Day1の最後には、 各地の学びのロールモデルとして、未来につながる「発見」を示してくれた全48すべてのプロジェクトに対して全国優秀賞が授与されました。

Day2の発表プロジェクトに選ばれなかった高校生たちからは悔しさの滲む表情も見られましたが、それと同時に、これまでともに歩んできた仲間たちへの感謝や、堂々と発表を行った同世代へのねぎらい、そして今後への意欲や次の学びに臨もうとする言葉も聞かれました。

「後悔もあるが、楽しかったし、これからどんどんやりたいことが浮かび上がってきた。明日の共創セッション、代表発表から学びたい」と語る高校生

 

サポーターからもメッセージが送られ、東京大学総長・藤井氏からは次のようなエールが送られました。

  • ある課題に取り組み、価値を生み出すときの道筋は無限にあり、それぞれのマイプロジェクトがあっていいんです。それぞれのマイプロジェクトを大事にし、他者に共有することで、仲間をつくっていってください。

「多様なプロジェクトは、どれも本当に素晴らしかった」と高校生たちへ賞賛を送る藤井氏

 

Day2:代表発表と共創セッション、それぞれの学びが繰り広げられた最終日

3月30日(日)の「Day2」では、48プロジェクトの代表として選出された6プロジェクトによるステージ発表が行われました。今年度の全国Summitでは、参加高校生はこの発表を観覧するか、もしくは社会人との対話の機会である「共創セッション」に参加するかを選ぶ形としました。

ステージ発表では、6プロジェクトによって、それぞれのテーマへのアクションや学びが語られ、多様なロールモデルのあり方が示されました。そして、サポーターからの問いを通じて、プロジェクトを前に進める新たな視点を得たり、プロジェクトの成果にとどまらず、自分自身の変容にも目を向け、それを言葉にする姿が見られました。こうしたプロセスを通じて、学びがより深く、実感を伴うものへと育まれている様子が印象的でした。

イカ釣りが好きで、イカの漁獲量の減少に危機感を抱き、長崎におけるイカの養殖とブランド化に取り組んだプロジェクトについて発表する高校生

サポーターからは協働した人たちやアプローチの理由、今後必要だと考える学びについて問いかけがあり、彼の学び方がロールモデルとなり得る点についてコメントが寄せられた

代表発表から学びを得ようとする高校生たち

 

▼ステージ発表の様子を動画でご覧いただけます

【動画①】 長崎のアオリイカ(長崎南山高等学校)

長崎でアオリイカの養殖技術とブランド化を成功させ、漁業の活性化と海の環境問題への意識を 高めることを目指すプロジェクト。養殖技術の向上と地域資源を活用した商品開発を通じて、持 続可能な漁業と地域のためにもなるブランド化を目指して活動している。

 

【動画②】EnglishLens~小学生に主体的で楽しい英語学習を~(群馬県立高崎高等学校)

自分が英語を苦手だった経験から、英語嫌いの小学生が増加していることに課題を感じ、誰もが 主体的に楽しく学べる未来を目指したプロジェクト。自分の興味のあるものを写真に撮ると、その 状況を説明する英文がネイディヴの発音とともに表示される「EnglishLens」というアプリを開発。 地元企業からAIを動かすサーバーを寄付してもらう、実際に小学生に利用してもらって出た意見 を実装するなど取り組みを拡大している。

すべてのステージ発表やDay1に行われた全48プロジェクトによる発表のアーカイブ動画はこちら:
https://join.myprojects.jp/viewing2024

 

また、共創セッションでは、希望した高校生たちが、社会人に自分のプロジェクトに対してフィードバックをもらったり、一緒にアイディアを考えるなど、プロジェクトの次なる展開に向け、活発なやりとりが生まれていました。

共創セッションで社会人と対話する高校生

 

受賞結果

多様なロールモデルを示してくれた代表発表プロジェクトに対しては、全国優秀賞に加えて、各賞が贈られました。

●文部科学大臣賞 / マイプロジェクトアワード特別賞(同時受賞)

・長崎のアオリイカ(長崎南山高等学校)

長崎でアオリイカの養殖技術とブランド化を成功させ、漁業の活性化と海の環境問題への意識を高めることを目指すプロジェクト。養殖技術の向上と地域資源を活用した商品開発を通じて、持続可能な漁業と地域のためにもなるブランド化を目指して活動している。
●高校生特別賞 / マイプロジェクトアワード特別賞(同時受賞)

・いじめ撲滅と不登校支援拡充に向けて:経験者の高校生の挑戦(S高等学校)

いじめによって子どもたちの未来や人生が左右される状況をなくすことを目指すプロジェクト。現状把握のため、学童などでボランティアや専門家へのインタビューを実施。市議会に「いじめ防止条例」の制定を求める陳情を提出、こども家庭庁とも意見交換をするなど、社会を変えていくことに挑戦している。
●マイプロジェクトアワード特別賞(発表順)

・自然をもっと身近に 語り部プロジェクト(米子北高等学校)

豊かな自然の中で育った経験から環境保護の重要性を実感し、自然と人が共に生きる未来を目指すプロジェクト。VRで自然への関心を高めるワークショップや、微生物発電キットの制作を通じて、子供たちが自然の力を学び、持続可能な未来を考える機会を提供。地域や企業と連携し、環境保護と暮らしのバランスを探る取り組みを続けている。

・EnglishLens~小学生に主体的で楽しい英語学習を~(群馬県立高崎高等学校)

自分が英語を苦手だった経験から、英語嫌いの小学生が増加していることに課題を感じ、誰もが主体的に楽しく学べる未来を目指したプロジェクト。自分の興味のあるものを写真に撮ると、その状況を説明する英文がネイディヴの発音とともに表示される「EnglishLens」というアプリを開発。地元企業からAIを動かすサーバーを寄付してもらう、実際に小学生に利用してもらって出た意見を実装するなど取り組みを拡大している。

・震災を経験していない私たちは何が担えるか(岩手県立大槌高等学校)

「震災の記憶がない私たちが担う震災伝承とは何か」をテーマに、地元住民にヒアリングを行い、どのような形で震災について語っていくべきかを考えていくプロジェクト。生成AIなどを活用して震災を経験した人としていない人が対話するイベントを実施。そこから得られた仮説をもとに、自分たちの世代がどうしたら本当の意味で震災を理解できるのかを考察し、地域の方と伝承のあり方を議論している。

・ちょこVIP〜食×教育×アートで地域創生!!〜(宮崎県立飯野高等学校)

「食、教育、アートを融合させて地域創生を目指す活動。特に、廃棄野菜を使った「野菜スタンプ」や「ビー玉転がし」の遊びを通じて、障がいを持った子どもと持っていない子どもが一緒に楽しみ・学び合える環境をつくったり、障がいに対する理解を深めるために、支援学校の視察や共生社会シンポジウムに参加したりして、より良い支援方法を学ぶなどの取り組みを行っている。

 

▼各賞の説明

文部科学大臣賞:
最も未来につながる「発見」を示してくれたプロジェクトに授与

高校生特別賞:
参加高校生から「最も学びが深く、応援したいプロジェクト」と支持されたプロジェクトに授与

マイプロジェクトアワード特別賞:
学びのロールモデルとして全国各地から招待された48プロジェクトの中でも学びが深い6プロジェクトに授与

 

参加者の声

3日間を通して、高校生たちはこれまでの経験を多様な他者と共有し、対話を重ねるなかで新たな気付きを得て、今後への意欲へとつなげていきました。

プログラムの最後には、高校生たちから次のような声が寄せられました。

  • Day2に発表ができなかったことは悔しかったが、Day2に発表していたプロジェクトにとても刺激を受け、知らない世界がたくさんあることに気づけた。最高の思い出になったし、これからも頑張りたい。
  • 6プロジェクトに選ばれたい気持ちから、選ばれないことへの怖さがあった。でも、最後には自然にみんなの前で手を挙げて発言できる自分に成長を感じた。たくさん失敗しても、こうして成長を重ねればいいのではないかと希望を持つことができた。
  • 学びの方法を学ぶことができたし、探究で人は変わるんだ、と実感した。

「代表には選ばれなかったが、3日間を通じて得た自身の成長に今後への希望をもてた」と語る高校生

 

また、教員や保護者からも

  • サポーターの言葉がとても印象に残っている。教員としての自分の役割は生徒に学び方を教えていくことだと再確認できた。
  • 今日ここに来るまでに、わが子がプロジェクトを通していろんな人に支えられて元気になっていく姿をみてきた。こうした機会があることに感謝したい。そして、自身も教育関係者としてこうした機会を届けていきたい。

といった声が寄せられ、見ている大人も、つくりたい未来にむけて背中を押された場となりました。

「自身の役割を再確認できた」と語る引率の先生

 

最後には、サポーターから高校生へメッセージが送られ、QuizKnock・伊沢氏は、次のようなエールを送りました。

  • 周囲が比較を強いてくることがあっても、学びの主語は『I(アイ)』であり『My(マイ)』であるべきです。皆さん自身が何を学び、どう成長し、何をつかみ取るか。それを自分自身が満足していれば十分です。自分に胸を張って、これからも学び続けてください。

「学びの『主語』は自分である」と高校生へエールを送る伊沢氏

最後は拍手で互いを称え合い、3日間にわたる学びの祭典は幕を閉じた

 

アーカイブ動画のご案内

全国Summitのアーカイブ動画を公開しています。当日の熱量をぜひご覧ください。

以下のリンクよりお申し込みください:
https://join.myprojects.jp/viewing2024

 

マイプロジェクトは、単なる探究活動にとどまらず、高校生一人ひとりが「社会をどう生きるか」を自らに問い、行動し、学び続けるプロセスそのものです。

これにて、今年度のマイプロジェクトアワードは閉幕となりますが、高校生たちの学びはこれからも続いていきます。

 


●【全国Summit解説レポート】”ただの『表彰大会』にしない”全ての高校生の学びを最大化するための事務局の取り組みと、参加高校生の様子をお届けします。
https://myprojects.jp/article/report/summit_zenkoku2024_01/

●【教育関係者のみなさまへ】マイプロジェクトパートナー登録受付中
高校・行政・教育関係者の方向けに、マイプロジェクトの導入/実践などをサポートする「パートナー登録」制度を実施しています。ご登録いただきますと、教材(ワークシート/動画)の使用や先進事例に触れられる勉強会・交流会へのご参加が可能です(いずれも無料)。
https://myprojects.jp/teachers/

●【ご寄付を通じて高校生を応援いただけませんか】マイプロジェクトの取り組みは、個人や企業の方々のご寄付によって支えられています。寄付や応援が、高校生自身のよりよい未来と、よりよい社会を生み出す大きな力になります。 皆様からの温かいご支援をお待ちしています。
https://myprojects.jp/cheers/

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