2026年3月20日(金・祝)〜22日(日)、昭和女子大学にて開催しました「全国高校生マイプロジェクトアワード2025 全国Summit」。この全国Summitの閉会を持ちまして、2025年度の「全国高校生マイプロジェクトアワード」(以下、アワード)の全日程が終了いたしました。
2025年11月末から約4ヶ月間にわたり開催し、約6,000名の高校生、高校生の助言役として、約1,000名の社会人・学生の方々が参加。学び・気づき・変わる瞬間がたくさん生まれました。
本レポートでは、2025年度のアワードを振り返り、どのような場を届け、その結果何が生まれていたか、お伝えさせていただきます。
<目次>
1. 開催の目的:すべての高校生に、「わたし」から学びがはじまる環境を。
2.地域Summit:6,000名が参加!対話を通じ、各地で生まれた笑顔と自信。
3. 全国Summit:勝ち負け以上に、自分にとって価値のある学びを得る場に。
4. 結びに:AI時代だからこそ、「わたし」に向き合うプロセスを。
1. 開催の目的:すべての高校生に、「わたし」から学びがはじまる環境を。

「高校生マイプロジェクト」が大切にしていること。
それは、「想いや問いを起点にアクションを起こし、そのプロセスから得た学びを言語化して、次のステップへつなげること」です。
わたしたちは、すべての高校生がこうした体験に出会える環境をつくるために、「マイプロジェクトアワード」を開催しています。
2022年度の学習指導要領改訂をきっかけに、生徒の主体性を重んじる地域や高校が増え、マイプロジェクトに取り組む高校生は着実に広がってきました。
その一方で、現場からは以下のような課題も聞こえています。
・機会の偏り: 発表の機会があっても、代表者だけが大人や専門家からの助言をもらう構造になってしまう
・振り返りの手薄さ: その後の成長や次の一歩につなげるための、多角的な視点での事後リフレクション(振り返り)をやりきれていない
高校生が自身の興味関心を起点に、実社会とつながりながら学びを深めていくには、まだまだ壁があるのが現状です。
そこでわたしたちは、アワードという場を通じて、主に以下の3つの実現を目指しています。
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①「発表と対話」による学びの最大化
高校生がこれまでの取り組みを振り返り、自分の言葉で語る。そして、同世代や大人からフィードバックを受ける。この一連の経験を通じて、主体性と学びをさらに深めます。
②高校生の学びを応援する環境を、各地域で育む
地域・エリアごとに発表と対話の場「Summit(サミット)」を開催。できるだけ多くの高校生に機会を届けると同時に、高校生が身近な地域で挑戦し、周囲から応援される環境を耕していきます。
③ロールモデルの発見と社会への発信
マイプロジェクトが大切にする学びの在り方を体現するロールモデルを発見し、広く発信。
参加した高校生の学びを最大化することはもちろん、先生方や参加していない高校生にとっても、一歩を踏み出すきっかけや学びを深めるヒントを提供します。
さらに、教育界以外の多様な業界からの参画を募ることで、挑戦する高校生を社会全体で応援する機運をつくっていけたらとも考えています。
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<25年度のアワードの流れ>
2. 6,000名が参加した地域Summit!対話を通じ、各地で生まれた笑顔と自信
2025年度の地域Summitは、全国18地域での開催に加え、複数エリア合同のオンライン実施を含む計35日程で開催。計2,201プロジェクト、5,995名の高校生が参加しました。高校生と大人が共に学び合う、熱気あふれる場が各地で生まれました。
<地域Summitの様子>
(愛知県Summit 集合写真)
(写真:発表する高校生/新潟県Summit)
(写真:対話している高校生と大人/広島県Summit)
■参加した高校生や先生方の声
・【高校生】高い満足度。「最初は乗り気じゃなかったけど…」から生まれる変化
参加した高校生の満足度は平均3.7(4段階評価 / 回収率70%)。「楽しかった!」「活動を前に進めるためのアイデアを得ることができた!」といった声が多く寄せられました。
また、最初は自信が持てなかったり、消極的だったりした生徒が、大人からの温かいフィードバックや、同世代の興味関心やアクションを知って、意欲を育んでいく姿が印象的でした。
・【大人】高校生の姿が、引率者・地域の大人を後押し
高校生たちの熱量あふれる姿や、同世代や大人からのアドバイスを吸収して目を輝かせる様子は、大人たちにも大きなエネルギーを与え、自身の行動や意識をアップデートするきっかけとなっているようでした。


■50社の協賛パートナー、寄付者、自治体、メディア、そして卒業生。地域で広がる応援のコミュニティ
マイプロジェクトアワードは、全国・地域の事務局だけでなく、様々なセクターの方々との協働によって実現しています。
・50社の協賛パートナーと多くの寄付者による支援
2025年度は、合計50社の企業・団体様からのご協賛に加え、多くの個人の皆様からも温かいご寄付をいただきました。
・自治体との連携
長野県や山口県では、自治体や関連団体との深い連携のもと、行政と教育現場が一体となった地域ぐるみの推進体制がさらに加速しています。
・メディアパートナー
地域のメディアと連携し、高校生たちの挑戦や学びの姿を広く社会へ発信・応援の輪を広げていく取り組みも生まれました。
・卒業生の活躍
複数回目の開催となった地域では、過去の参加者が今度は「運営側」として参画する様子も。高校生の挑戦をサポートする心強い存在となっています。
マイプロジェクトを地域全体で支え、高校生の学びを応援するコミュニティの輪が、全国で着実に広がっています。
(写真:大学進学後もマイプロジェクトを続ける卒業生による発表/山形県Summit)
3. 全国Summit:勝ち負け以上に、自分にとって価値のある学びを得る場に。
3月末に開催した全国Summitには、全国から推薦された48プロジェクトが集結しました。
全国Summitで掲げたコンセプトは「よりよい未来をわたしからはじめるヒントを共に探す」です。
私たちが目指すのは、優れた活動を表彰することではありません。
ロールモデル性、つまりよりよい未来を「わたしからはじめる」ための大きなヒントを示してくれたプロジェクトを広く発信すること。そして何より、参加したすべての高校生が自身の学びを最大化することを第一に設計しています。
<全国Summit プログラム内容>
▼2025年度全国Summitサポーターのみなさま
<全国Summitの様子>
(写真:Kick Off Dayで行われた振り返りワークの様子)
(写真:Day1のサポーターとの対話の様子)
(写真:発表後に観覧からメッセージを受け取った高校生たち)
(写真:Day2で代表発表を行う高校生)
(写真:共創セッションで大人から更なるアドバイスをもらう高校生)
■参加した高校生や先生の声
「それぞれが学びを得る場」を目指した全国Summit。終了後に寄せられた、コメントをご紹介します。
・【高校生】勝ち負け以上の価値を得られた
・【先生】探究学習の指導1年目の先生が語った、自身の使命
「昨日は悔しい思いもしていたようだったが、最後には「探究楽しい!もっとあれをやりたい、これを考えたい!」と生徒たちの目がキラキラしていました。そんな生徒たちの様子を見るのがすごく楽しかったです。
探究の授業に入るようになって1年目で、探究がよく分からなかったが、生徒たちがこの場に連れてきてくれたことをとても嬉しく思っています。
また、先生方とのかかわりも非常に有意義で、学校での探究の進め方など本当にいろんな先生のいろんな考え方に触れることができたので、自分自身も学ぶことができました。
これだけの活き活きする生徒をどれだけ増やせるかが自分のミッションだと思っているので、この子たちみたいに目をキラキラさせる生徒を増やしていきたいと思っています。」

(高校生向けプログラムと並行し、先生向けのプログラムも実施されました)
■1,500名が観覧!大人たちをも動かす高校生の熱量
全国Summitでは、現地・オンライン合わせて約1,500名の方にご観覧いただきました。
教育関係者だけでなく、保護者や初めてマイプロジェクトを知った方々からも、「高校生の姿に元気をもらった」「自分も頑張るヒントを得た」といった言葉をいただき、高校生の熱い学びの姿勢が大人たちを大きく動かしていました。

【学びのロールモデル:代表6プロジェクト】
- 文部科学大臣賞
・ノンカフェイン抹茶で守りたい!松江の茶の湯文化(島根県立松江北高等学校) - 高校生特別賞 / マイプロジェクトアワード特別賞(同時受賞)
・白鳥おどりフェス(岐阜県立郡上北高等学校) - マイプロジェクトアワード特別賞(発表順)
・かきかき大作戦(岩手県立盛岡第一高等学校)
・「わたし」toたはらマーブルタウン(愛知県立豊橋南高等学校)
・町工場に青春を捧ぐ〜誇れる技術を世界へ〜(S高等学校)
・共食でつなぐ地域の輪(沖縄県立首里高等学校)
▼当日の様子はアーカイブでご覧いただけます
・アーカイブ視聴申込はこちら(無料)
・各日開催レポート Kickoff Day/ Day1/ Day2
4. 結びに:AI時代だからこそ、「わたし」に向き合うプロセスを。
全国Summitで、サポーターを務めていただいた伊沢拓司さん(QuizKnock)、鈴木 寛さん(元文部科学副大臣/東京大学公共政策大学院教授)から参加高校生たちへ贈られたメッセージには、AIによる代替が進む社会のなかで「わたし」に向き合うことの大切さが示されていました。
(写真:高校生たちへメッセージを贈るサポーター)
・伊沢拓司氏:「Do(何をしたか)」は代替されても、「Become(成長)」は代替されない
「大切なのは、行動(Do)の成果ではなく、あなた自身がどう成長したか(become)や何を望んでいるか(want)という『代替不可能な自分らしさ』。自分だけの成長や想いこそが、あなた自身となる」
・鈴木寛氏:「唯一無二」と「一期一会」が価値をもつ時代
「人間一人ひとりの『唯一無二の価値』と『一期一会のつながり』がますます大事になってくる時代。この場での出会いや縁を活かし、自分の在り方(Become)をさらに深く考えるきっかけにしてほしい(…)AIの台頭を恐れる必要はなく、むしろ「AIを使い倒せばいい」と捉えることができる」
自分を見つめ、社会のなかで他者と対話を重ね、ツールも活用しながらアウトプットをつくる。それがまた次の自分につながっていく――。これは、AI時代を生きるわたしたちがよりよい未来をつくっていくプロセスなのかもしれません。
マイプロジェクトに取り組む高校生を応援してくださる皆様の多大なるご協力・ご支援があって、2025年度もこのような場を実現することができました。
改めまして、心より深く御礼申し上げます。
私たち全国事務局は、今後もアワードの開催に留まらず、高校生が「わたしからはじめる学び」に出会える環境づくりに邁進してまいります。
皆様と共に、これからもマイプロジェクトに取り組む高校生たちを全力で応援していけることを願っております。
今後とも温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
マイプロジェクト全国事務局
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