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マイプロジェクト

地域Summit

2022.1.10

Award2021全国出場プロジェクト

自らが作りたい未来に向けてアクションしつづけた、全国の高校生のプロジェクトをご紹介していきます!

(※MY PROJECT AWARD 2021 全国Summit へ出場したプロジェクトより、順不同)
#26. ミライと(島根県)

農業が大好きな高校生が、その魅力を高校生に広めたいと取り組んだプロジェクト。一緒に野菜に畑で野菜を育てたり、育てた野菜を食べるイベントを実施しました。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

私は高校生に農業の面白さを伝えるために「米米クラブ」や寮の畑「ミライと」の活動をしています。ないものはない島だからこそ、「うに、あかもく、堆肥、竹」など身近にあるものをなんでも使って農業をしています。また、そのために島の人を巻き込みながら「さまざまな人と繋がりながらやる農業」を目指して活動しています。私は1年生の夏、住んでいる島の田んぼの手伝いに行った時、稲や田んぼの生き物と触れ合えただけでなく、さまざまな価値観を持った大人と話す機会にもなり、「人と繋がる面白さ」に気づくことができました。畑や田んぼは「人と人とを繋ぐ場」にもなるのだということがわかりました。 そんな魅力を伝えていくために高校生だけでなく、地域の人を巻き込んだ活動をしています。私は農業が大好きです。その楽しさを伝えたい、「面白い」と思える農業を高校生でやりたいと思っています。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

どうしたら、おもしろいと思える農業ができるのか高校生の仲間と一緒に考えながら畑で野菜を育てています。私がメンバーをまとめる立場になったある日、メンバー間で、化成肥料を使うか使わないかで、意見の食い違いが生じてしまったことがありました。結局、両方の方法で試してみた結果、有機農法でやってもうまくいきませんでした。何かやり方を変えなければいけないと思い、本を読んで調べ、計画を立てるようにしました。そして有機でやるにしてももっと肥料を入れなくてはいけないということに気づき、堆肥を今までよりももっとたくさん入れるようにしてにんじん、だいこん、ほうれん草など5種類の野菜を作りました。そうするとうまく育てることができ、みんなで美味しく食べることができました。このことからメンバーの言葉を素直に受け止めてメンバーの意見を聞きながら農業をやることの大切さに気づきました。 また、忙しくてなかなか来れなくなってしまったメンバーが来てくれるよう、自分たちが作った野菜でピザ会や焼き芋大会などイベントを行いました。楽しいことを企画することの大切さにも気付きました。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

私が学んだことは「農業には魅力がたくさんある」ということです。農業の楽しさを伝えるために始めた活動ですが、このプロジェクトを通して本気で私たちの思いを受け止め、応援してくださる地域の方に出会えたこと、自分たちで作った野菜を食べることができる喜びを知ることができました。また畑のことが大好きで農業の知識を話したら止まらない地域の方や顔は怖いけれど、中身は高校生のために畑を作ったり堆肥を運んだりして優しくしてくださる地域の企業の社長さんをはじめ、このプロジェクトを通してさまざまな人と出会えて毎日が面白くなりました。この楽しさをもっとメンバーに伝えたい!と思っています。しかし、まだまだ私が伝えきれていなかったり、巻き込めておらず、畑の魅力より大変さのほうが勝ってしまっているのではないかと思っています。私が学んだ「人と繋がりながらやる農業の大切さ」を伝えていけるように、どうやったらみんなとおもしろい農業ができるのか、探求し続けています。

#25. Let’s cheer up ふたば!!(福島県)

チアダンスを通して地元を元気にしたい!という想いから立ち上げたプロジェクト。地元でのパフォーマンスに加え、活動を通して気づいた地域のこどもたちの自己表現能力の課題にも目を向け、子供向けのチアダンスワークショップを開催しました。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

私の地元は福島県双葉郡、東日本大震災時原発事故の影響を強く受けた地域です。震災時に感じた沢山の方からの応援の想い、避難先で習いはじめたチアダンスの活動で感じた地元や地域のために頑張る方々への憧れから、「自分も地元のために何か役に立ちたい」と思っていました。そこで、チアを通して、笑顔溢れる双葉郡を創っていくことをテーマに、プロジェクトを立ち上げました。現在は子供たちに双葉郡への愛着を持ってもらい、自己表現の幅やチアスピリットの可能性を広げていくことを目的として活動を行っています。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

はじめは、校内でチアダンスの体験イベントを開催したり、地域のイベントへ参加していました。そのなかで、小さい子がチアを習ってみたい!と言ってくれることが増えたり、こどもと関わるなかで、「こどもたちに関する課題」に気が付きました。イベントのとき、一緒に踊ろうよ!と言っても、「やりたいけど恥ずかしい」と言われたり、なかなか自分の気持ちを素直に表現できないこどもたちが多くいると感じました。この気づきから、ただ地元の人を応援するのではなく、この課題を反映させたチアでこどもたちの元気をより引き出すことができないか、と思いました。そこでまず、双葉郡内の小学校へインタビューを行ったところ、やはりすべての学校から自己表現や積極性に関する課題があがり、また、「習いごとができる場所が少ない」といった声もきかれたことから、「交流する機会が少ない」ことが課題の原因なのではと考えました。そこで、3つの町のこどもを対象としたチアのイベントを企画しました。このイベントはこどもたちと一緒に振り付けを作り、最後は実際にお客さんの前で踊るという連続的プログラムで、疑似的に習い事を再現しようと考えました。行った結果、参加者も徐々に増えていき、最終的には小1~小5の13名が集まりました。イベント前後に実施したアンケートでは、全回を通した顕著な変化はみられなかったものの、「友達とちがうところや似ているところを見つけられた」と書いてくれた子がいて、他の町の子(普段はかかわりのない人)との交流が自分を見つめなおすことにつながったのでは?と感じ、自己表現を育てる重要な一歩を踏み出したのではないかと考察しています。さらに、初日は自己紹介すら出来なかった子が最後はお客さんの前で堂々と踊ることができていたり、自主的な練習や、仲間への声掛けの様子が見られ、このイベントが子供たちにとってコミュニケーションをとり、協力する場として機能したことが分かりました。そして、イベント後も交流が生まれ、チアを通して新たな関係性が生まれていたことから、チアには人と人とをつなぐ架け橋となるチアがあるのではと感じました。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

プロジェクトを始めたことでたくさんの壁にぶつかってきました。もちろんその度に落ち込んだり、嫌になったりもしてきましたが、その分「何がダメなのか、相手は今どんな気持ちなのか?」などを考えられるようになり、物事を多面的に考える力を成長させることができたと思います。 この力が身についたおかげで自分の中に生まれた1つの問いが樹形図のようになってどんどん増えていくようになったし、今後も地域の課題に向き合っていく上で役に立つと思っています。また、過去の出来事に関して振り返った時もこの力があるおかげで自分の気持ちを整理できるようになりました。 その他にも人との出会いや繋がり、自主的に動くことの重要性を改めて学ぶことができています。

 

【プロジェクト代表者より、コメントいただきました!】

1.参加した感想
「全国の高校生と熱い想いをマイプロジェクトアワードという場で共有できたことで自分自身のプロジェクトにもより向き合うことができるようになりました。また、マイプロを通して繋がったみんながどんどん活動を広げている姿から今でも良い影響を受けています。」

 

2.高校生へメッセージ
「大変なことも多々ありましたが、マイプロに参加することを決めた自分には感謝しています。マイプロで得た学びや繋がりは今の私の原動力です。みなさんの次なる挑戦を全力で応援しています!」

#24.こころの多文化共生を目指して~ウイグル問題を通じて日本人の民族意識を開拓する~(岩手県)

ウイグル問題を通じて、日本人の他民族理解について関心を持ったことをきっかけに、多文化共生社会の実現について探究したプロジェクトです。

 

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

私の描く社会は、 相手の民族や文化、 帰属関係を理解し、価値を認め、いい意味で互いに影響しあい、高めあっていく、そういうことができる人が集まった社会です。 この探究活動を通し、自ら定義した真の意味での多文化共生を目指しています。 私は元々、差別などの国際問題に関心を寄せていました。その中で、ウイグル問題のことをある本を通して知り、自分もなにかできないかと思っていました。そのことを身近な人に話した際に、「○○人はみんな○○だ」といった言葉を聞いて、まずは日本人の他民族理解を変えていかねばならないと思ったことをきっかけに、この探究を始めました。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

ワークショップを企画しました。始めはウイグルのことを知ってもらうことを目的にしようと思い、 本やネットを通しての情報収集、 高校1年生を対象にウイグルのことについてのアンケートを行いました。また、 参考にした本の著者の方にインタビューをお願いしました。しかし、知ることだけでは不十分なのでは?と思い、イスラム教徒の方と交流するため、モスクに行きました。そこでの交流を通じて、海外の人も自分と同じ一人一人の人間であることや、異なる価値観を共有することの大切さに気づいたことから、体験することの重要性を感じました。また、得たことから自分なりの多文化共生社会を定義しました。そのことから、ワークショップの目的も、ただ知ってもらうのではなく、真の多文化共生社会に触れるという場にしたいと考え企画しました。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

この探究を進めるうえで、身近なことに疑問を持ち、自分なりに考え、行動を起こしていく探究の面白さに触れることができました。 今回私は「多文化共生」ということばの世間的に考えられている意味について疑問を持ち探究を進めました。その中で、ワークショップを企画したり、 大学の先生にメールを送ってみたりといろいろな初めてを経験しました。 最初は新しいことに踏み出すことに怖さを感じました。 でも、やってみると、様々な方のご協力もあり、意外にすんなり事が進み、 あっという間でした。 また、チームではなく個人で行う探究だったので、ほかの人を巻き込んでよいものか、とても不安でした。 でも、協力していただいた方と話すうちに不安は薄れていき、探究活動を楽しむことができました。正直、この探究を始める前は、私の見る世界は偏見で溢れていたと思います。この体験を他の、以前の私のような人にも是非体験してもらいたいです。 未知に踏み込むことの怖さ、その先にある答えのない問いを探る面白さ、 新たな世界を体験することができ、自分にとっても価値のある探究を行うことができました。

 

【プロジェクト代表者より、コメントいただきました!】

1.参加した感想
「私は1人で探究をしていたので、自分と同じように、好きなことや興味のあることについて深く関わり、活動している人達からたくさんの刺激を受けました。去年の参加が、今年の活動の成果に繋がっていることを強く感じます。」

 

2.高校生へメッセージ
「私は1年生の時に参加したので、今年は、高校生活の集大成として参加します!もし、全国summitに出場出来たら、皆さんと同じ時間を共有出来たらと思います。一緒に頑張りましょう!」

#23.白馬高生主催! 地域応援SKYフェス(長野県)

高校生活でとてもお世話になった地域が、コロナによる打撃を大きく受けていることを知り、地域の方々を励ましたい!とイベントを開催。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

私は高校生活で軽音楽部に所属し、白馬Caprice SHOWとしてバンド活動に取り組んできました。ありがたいことに沢山のイベントで演奏させていただく中、私もイベントをつくりたいと強く思うようになりました。そんな時、観光の授業の中で白馬村のコロナによる打撃を調べる機会がありました。2020年、白馬村の飲食店、宿泊業は例年の売上の2割以下がほとんどだったそうです。「いつもお世話になっている地域の方々の経営がそんなに厳しい状態になっていたなんて…。」衝撃を受けた私は「地域の方々が、厳しい現状の中でも笑顔になれるようなイベントを開催しよう!」と決意しました。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

まず、どうしたら人が集まりやすいか、コロナ対策などどうするかを考え、企画書を作成し、会場として使わせていただきたい白馬岩岳マウンテンリゾートさんに企画書を提出、出演者や音響さんに依頼をしました。資金獲得のため、クラウドファンディングの実施、SNSでの発信、プレスリリースを行いました。クラウドファンディングでは目標金額30万円を達成することができました。また、ポスターを作成し、村内の事業所に貼らせていただいたのですが、依頼した事業所すべてが快諾してくださり、とても嬉しかったです。イベント当日は、白馬村に関わる10代が出演、縁日コーナーを行い、子供から大人の方まで楽しんでくれました。また、当日はインスタライブで配信、メディア取材もしていただいたのですが、視聴者の方から『コロナ収束後白馬村に遊びに行きます!』とのコメントがあり、改めてイベントをやって良かったと思いました。イベント後にはクラウドファンディングの返礼品(白馬村のお土産詰め合わせやイベント当日のフォトアルバムなど)を送りました。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

イベント開催にあたり、地域の方には沢山のご協力をいただき、地域の温かさを再認識、より強く感じました。イベント後は、村内の人から沢山のありがとうを頂き本当に嬉しかったです。また、メディアの影響もありました。私は、このプロジェクトを通して、自分の行動が周りの人たちを動かして、大きくなっていくことの課程を体験し、自分から行動することの大切さを学びました。

 

【プロジェクト代表者より、コメントいただきました!】

1.参加した感想
「他の高校生やファシリテーターの皆さんが楽しそうに話を聞いてくださるので、自分の意見を胸を張って話せるようになりました。私にとってとても楽しい思い出です。」

2.高校生へメッセージ
「自分が日々、生活をするエリアから1歩外へ足を伸ばしてみましょう。その先はきっとあなたの事を受け入れてくれる楽しいところです。勇気を持ってエントリーしてみてください!!」

 

 

 

#22.すごいぞさめ照り~広めたい!サメのまち気仙沼の魅力~(宮城県)

大好きな地元を盛り上げたい!日本一の漁獲量であるサメを使った食品を開発し、地元のPRに取り組んだプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

学校の課題研究でサメの照り焼きレトルトパウチ(さめ照り)を開発、そしてそれをPRすることで、日本一のサメのまちとしての気仙沼の認知率向上を目指しています。
気仙沼はサメの漁獲量が日本一です。私自身もこの課題研究をするまで、気仙沼はフカヒレのイメージが強く、サメ肉そのものがおいしいというイメージがありませんでしたが、サメ肉は食品としても優れていることを知り、サメ肉の商品を一から作ることで、みんなの知らない気仙沼のよいところをアピールし、注目してもらおうと考えました。さめ照りを使って大好きな地元を盛り上げていきたいです。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

課題研究では、サメの照り焼きをレトルトパウチに入れ、常温流通できる商品を作りました。常温流通できるようにすることで、保存食にもなることからコロナ禍でも需要があるのではと考えました。20回ほどの試作を繰り返し、高温加圧加熱した際に出る苦みの原因、たれの改良、大量調理のための調理方法改善を行いました。完成品は宮城県水産加工品発表会にて受賞することができ、次年度からの販売も決定。小学校の給食メニューにもなり、小学校ではサメについての出張授業も行いました。そして、地域での試食会も開催し、アンケートをとったところ、地域の大人からはサメのイメージが変わった、調理が簡単で良いなどといただきました。また、さめ照りをPRすべく、SNSで普段の課題研究の様子や、サメについての豆知識を発信しました。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

一番に思いついたのは主体性です。私はもともと地元が大好きでしたが、良さを伝えられるのは大人だけだ、良さは勝手に伝わるものだと思っていました。ですが、このプロジェクトをやってみて、地元の良さを伝えられるのは大人だけではなく、自分でもできる、やり方を知らないなら学べばよいということを学びました。大人ではなくても、やれることは沢山あります。私が目指す未来の気仙沼はサメでにぎわう町です。地域でのにぎわいを目指し、地域外からも人がくることを目指しています。そのために私はこれからもこの活動を頑張っていきます。

 

 

#21.やったるで!請願プロジェクト ~持続可能な脱炭素社会へ向けて~(長崎県)

長崎県民の環境問題への危機意識を高めるべく、議員への呼びかけや、1674名の署名を集め、長崎県議会に請願書を提出しました。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

長崎県の【地球温暖化対策実行計画】は素晴らしいものですが、長崎県民130万人の認識がまだ足りていないと感じています。環境問題は超緊急な問題であり、多くの人が動かないと解決できないということを伝えるべく、長崎県議会に「気候非常事態宣言の発出を求める」等の請願書を提出することにしました。取り組みの背景として、わたしたちは環境問題に関心があり、どうにかしたいという想いからFFF長崎という環境保護団体を立ち上げ、活動をしていました。そのなかで、同じ志をもち、中学生時代に別地域で同様の請願書を提出した高校生の存在を知り、連絡をしてみたことから、この活動が始まりました。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

気候非常事態宣言とは、国や自治体の組織が”気候変動が異常な状態である”ことを認めることで、人々の環境への関心を高め、気候変動への行動を加速させるものです。長崎県民に気候変動への危機意識を高めてもらうためのアラームとして、長崎県議会に採択をしてもらいたいという思いで、請願しました。請願に向け、ほぼ毎日、学校や部活の合間を縫ってメンバーで会議をしたり、各会派の議員さんに賛同してもらうために説明会の実施や話し合いを重ねました。いかに請願を通すか、いかに県民の注目を集めるかを考えながら各主体と連携し、1674名と17団体の署名も集め、請願書を提出しました。その後行った記者会見では、長崎県庁や記者クラブの方に自分たちでアプローチし、その様子は新聞やテレビで多く取り上げてもらいました。そして、長崎県議会で請願人趣旨説明を行い、議員さんが議論をする前に伝えたいこと、県民130万人へ伝えたいことを5分間に凝縮して発表を行いました。請願は不採択となってしまいましたが、普段の議会では少ない環境にまつわる議論が、1時間以上にもわたり熱い討論が行われたこと、また、メディア掲載やフォーラムへの参加により、長崎県内に気候変動について知ってもらうということは、環境保護団体として大きな一歩となりました。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

初めの一歩を踏み出してみることの大切さです。請願をするなかで同じ思いを持つ人たちと沢山出会い、少しずつ活動の輪が広がっていくのを肌で感じました。自己完結する前に、声に出してみる、発信してみる、行動してみる。そうすれば自分たちは、周りの人たちは、世界は、少しずつ変わっていくと実感しました。私たちは日本という、言論の自由が保障されている国にいます。保障されていない国もあるなかで、自分の意見を言えることができるのは、それだけですごいことだと思います。世界を変えるというのは、大きな声だけでなくてもいい、むしろ少しの勇気を出して、想いを伝えてみてください。受け止めてくれる人がいると気づいたら、後はその小さな勇気を積み重ねていくだけです。

 

#20.かみ食カレーライスをつくっちゃお!(北海道)

多忙で自由な時間がなかなかとれない保護者の負担を軽減するため、こども向けにカレーライスを作るイベントを実施しました。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

高2で参加した、教育委員会の町の課題と解決策を考える研修を通して、自分にも地域にもプラスになるようなことがしたい!と強く思っていました。自分になにができるか考えたところ、子育てをしている方から、日々のご飯のメニューを考えるのが大変、好きなことがなかなかできない、といったお話を聞き、子供に対する支援が多い中で、保護者の負担を軽減することも必要だと思いました。そして、保護者の方々に「自分の時間」を提供することを軸に、今回は小学生を対象にしたプロジェクトを実施し、子どもの活動時間を少しでも「自分の時間」として過ごしてもらえるよう考えました。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

地元の小学4~6年生を対象として、地元の企業から食材を提供いただき「かみ食カレーライスをつくっちゃお!」を行いました。このイベントを企画した理由は、私が料理を好きということと、家で毎日ご飯がでてくるのは当たり前ではないということをこどもたちに伝えたかったからです。実施に際し、地域の食品会社や農業組合に食材を無償で提供していただくことができ、当日の運営も高校生計7名が協力してくれ、参加した小学生と密にコミュニケーションをとることができました。参加したこどもたちに、非日常体験のなかでカレーを作ってもらい、料理への関心を高めてもらおうと野外炊事にし、また食料自給率3500%である地元の食材を使うことで、そのおいしさから、地元の魅力に気づいてほしいという想いを込めました。参加したこどもからは「お肉がおいしく野菜が甘い」といった感想がきかれ、保護者の方からもその後町で声をかけてもらい「おかげで家事を済ませられた」と言ってくださり、このイベントが保護者の自由な時間を創出する第一歩となったと感じました。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

自分の意思を言葉にすることの大切さと、「できないことはない」ということです。活動のなかで「コロナ禍だから」「高校生だから」とマイナスな言葉を言われることがあり、そのたびに悩み、逃げたくなりました。しかし、自分にも町にもプラスになることがしたいという想いを持ち続けた結果、なんとか成し遂げることができました。その経験から、年齢も経験も関係ない、できないことはないということを実感しました。自分の意志を言葉にし、できないことはないと信じ行動し続けた結果、これまで以上に自分の考えていることを伝える機会を多く頂きました。「何か行動したい」「自分を変えたい」と思っている人たちにも、自分の言葉で自分にできることがあることを伝えていきたいと思います。

 

#19.次の1冊に手をのばす喜びをすべての子どもに Dor til Dor(大阪府)

こどもによりよい読書体験を届けるため、NPO団体を立ち上げ、おすすめの本を紹介するフリーペーパーの発行や、読書を楽しむイベントの企画、運営を行っています。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

NPO団体「Dor til Dor(ドア・チル・ドア)」は、「次の1冊に手をのばす喜びをすべての子どもに」をミッションに掲げて、子どもたちの読書文化を盛り上げる活動をしています。コロナ禍の一斉休校中に、僕自身の4000冊という豊富な絵本・児童書の読書経験と高校生という子どもと大人の狭間の視点を生かして、おすすめの子どもの本を発信するフリーペーパー「月あかり文庫」を1人で創刊しました。この活動をさらに発展させるために今年春に仲間を集め、僕が代表として立ち上げたのがDor til Dorです。本の1ページ目を「扉」と呼ぶことから、デンマーク語で「ドアtoドア」を意味するDor til Dorでは子どもたちがある1冊の扉を開いてその本を読破し、次の本に出会ってその扉を開くまでを支えたいという想いで、子どもたちを積極的に本を楽しむ「自立した読者」に育てるために活動中です。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

学校読書調査によると、現在小中学生の活字離れは改善している一方、高校生になると忙しくなり本から離れてしまうという課題がみられます。僕はこれを幼少期の良質な読書体験が不十分で本の楽しさを実感できずに成長してしまった結果と考え、学校司書や書店員、大学講師等にヒアリングしながら、良質な読書体験と本の魅力を多くの子どもたちに届けてきました。子どもの周囲の大人に良い本を知ってもらい子どもたちに良い読書体験を手渡すフリーペーパー「月あかり文庫」(計8号・累計1万部以上の発行、全国60カ所以上に設置)の他、SNS(累計フォロワー1300人)での発信や、参加者とともに読書を楽しむイベントの開催、読書の輪を広げるPOPコンクールの主宰など多角的に活動しています。こうした活動はおおむね好評で、SNSを通して、各ご家庭でこどもたちが月あかり文庫を通して読書を楽しんだり、夢中になれる一冊と出会った姿がみられ、少しずつこどもたちに良い読書体験が届けられていることがうかがえます。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

2021年春に団体化して、コミュニケーションを取ることの大切さと難しさを思い知りました。創刊から1年ほどは僕1人で活動していたため気づかなかったのですが、メンバーが増えたことで、それぞれの子どもの本への想いと、代表としての僕自身の想いがすれ違ってしまうことが増え、意思疎通の問題や、方向性に迷いが生じてしまいました。そこで、団体内でのオンライン合宿を実施し、改めて活動を振り返り、今後の方向性をじっくり話し合うことで、これから進んでいくべき道を明確にすることができました。そして、活動のスタンスとして、無理に社会に迎合せず、自分の想いに素直に向き合って、全力で楽しみながら活動する方が、よりよい形で思いが伝わるということを学びました。

 

 

#18.守りたい!地域の祭 = コミュニティ(山口県)

地域に古くからある祭りの継承を通じて、地域の結束を目指す取り組みです。衰退の原因の入念な調査や、祭りの運営への参加、使用される歌のデジタル化などを行いました。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

私が住む山口県萩市大屋地区には江戸時代から続く「伊達小荷駄(ダテコンダ)」と言われる布団を重ねて飾る、ユニークな祭があります。伊達小荷駄は、萩市にある金谷天満宮の奉納行事の一つで、60年前までは重ねた布団を馬に乗せ、子供たちと町内を練り歩く等、地区をあげて行っていましたが、だんだんと簡素化され、現在は公会堂に一昼夜布団を飾り置くだけとなっており、地域住民であってもその存在を知らない人がいます。私は萩市が大好きで、ここで暮らしていることを誇りに思っているのですが、この祭りの現状から、地域の衰退を見るようでとてもさみしく感じました。そこで、地域の伝統文化とコミュニティを守り、ずっと住み続けられる町であってほしいとの思いから、この祭りの継承を探究することにしました。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

まずは伊達小荷駄を知るために現地調査や文献調査を行いました。次に認知度を調べるために、地域の小中高生にアンケートをとったところ、認知度が非常に低かったことから、祭りを見たことがある世代の高齢化と、若い世代への伝承がなされていないことが衰退の原因ではと考えました。このことから伊達小荷駄を若い世代に伝えるにはどうすればよいか考え、以前のような形で祭りを復活させられないか、町内会会長に相談したところ、地域住民の高齢化に加え、増加した移住者の祭りへの関心が低いことから、難しいのではと言われました。それを確かめるべく、大屋地区の世帯入替調査を行った結果、住人の3分の1が新規流入者であり、祭りについてのアンケートでも、旧住民に比べ、関心が低いことが分かりました。そのことから、この祭りの存続のためには、若い世代だけでなく、新規住民にも関心を持ってもらう必要があると考えました。そこで、PRする機会を作るために、祭りの運営に参加したところ、祝い歌というこの祭りで歌われる歌があるが、口頭伝承ゆえに、消えかかっていることを知りました。まずはこの祝い唄を守ることが伝統文化を保全し、PRするきっかけにもなるのではと思い、祝い唄の動画をインターネットにアップ、QRコードを載せたポスターを地域に貼り、住民の方に周知しました。今後の展望としては、無形文化の保護の必要性を活動を通して感じたことから、他の地域の無形文化の保護にもつなげられるよう、各地の無形文化のレッドデータサイトが作れないかと思っています。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

探究を始めた当初、「祭は始まったままの形で継承されるべきである」と考えていました。しかし簡素化された今の伊達小荷駄は、地域の全世帯が順番に運営に携わることとなっており、これは新・旧の住民がコミュニケーションを図る絶好の機会になっていると、祭の運営に参加し気づきました。近所にどんな人が住んでいるのか知ることは、緊急時の共助にも有効ではないかと思い、現在のこの祭りの役割は、神様をまつることだけではなく、地域の新・旧の住人達が協働するきっかけであり、「地域のコミュニティを守る存在」なのだと感じました。そして、祭りはどんな形であっても続けていくことに価値があるのだと思うようになりました。今後もこの活動を継続し、次の世代に「伊達小荷駄」をつないでいきたいと思います。そして、この探究を通じて、自分から生まれた疑問を客観的にとらえることで一歩引いた立場から分析すること、感覚に頼らない論理的な調査が有効であり分野横断的な学びの大切さも知りました。

 

#17.マイプロジェクト革命(宮崎県)

 

 

中学生からマイプロに取り組んできた彼らが、中学生にもマイプロジェクトアワードの場がほしい!と、3年間かけて、中学生版マイプロジェクトアワード開催に取り組んだプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

僕たちがこのプロジェクトを通して、皆さんに伝えたいことは「マイプロジェクトはだれでもできる」ということです。中学生からマイプロジェクトをしてきた僕らはマイプロの楽しさや誰かを笑顔にしたときのやりがいをとても味わってきました。しかしそれを共有、語れる場所がありませんでした。「なんで高校生にしかマイプロジェクトアワードはないのだろう」→「ないならつくればいい!中学生版のマイプロジェクトアワードを開催させるぞ!」という発想の転換から僕らは始動しました。「マイプロジェクトは誰でもできる!」それを伝えるべく、この3年間、活動しそれを僕らは証明してきました。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

まず、中学校にマイプロアワードについて提案しましたが、うちの生徒には難しいかな、などネガティブな意見が多く、周囲からも本当に開催できるのか、ととても心配されました。しかし、諦めずに続けていたところ、協力してくださる大人に出会えたことで、マイプロジェクトアワードを開催することができました。参加した中学生からは発表出来てよかった!と前向きな感想をもらうことができました。その後、中学校からの先生より、いきなり発表はハードルが高いという意見をもらったことで、マイプロジェクトは発表することがゴールではなく、そこまでのプロセスが大事なんだと気づき、マイプロに興味のある中学生を対象にスタートアッププログラムを開始することにしました。ここでは本校のマイプロをした事のある高校生が中学生のサポートメンバーとなってオンラインでつながり、数ヶ月間一緒にマイプロを進めていく、そのようなものです。そして、第二回マイプロジェクトアワードを開催することができました。参加した中学生や大人からポジティブな感想が聞かれ、とても嬉しかったです。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

学んだことは、情報伝達の大切さです。僕たちのプロジェクトは全国の大人や生徒さんと協働する機会が多く、オンラインで進めていたこともあり、情報がしっかりと相手に行き届いていなかったり、お互いの意見を伝え合うのにすごく苦労しました。対面でない分、連絡や説明の仕方をどのように工夫したらよいか学びました。
また、活動を経て、マイプロに年齢は関係ないんだ!と改めて分かりました。今は中学生をメインに活動をしていますが、大人から子供まで年齢関係なくマイプロジェクトを進められるような環境を最終的には作っていきたいと思っています。

 

 

#16.Happy Cycle with ENTERtainment!!!(北海道)

 

 

登別市内の若い世代の経済活動促進に向け、市と連携して、特産品を販売するイベントの開催や、特産品を使ったレシピ動画の発信、飲食店を紹介するショップカードとwebサイトを作成しました。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

この探究の目的は2つあります。まず、コロナ禍に対応した方法で登別の隠れた魅力を高校生などの若い世代に向けて発信すること。そして、その魅力に触れた若い世代や地元の人による情報発信、その発信を受けた人による消費、発信という循環を起こすことです。コロナの影響で、登別温泉を中心に観光業が産業の9割を占めていた登別市の経済状況が落ち込んでいること、また、登別市内において、 若い世代がショッピングや食事といった消費活動を行う機会が少ないということを知りました。そこで、 観光客が訪れにくい今、地元の人に登別の魅力を再発信することで消費に繋がるのではないかと思い、この探究を始めました。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

まず、登別市と協力して、小中高生を対象にイベントを実施しました。その中で、登別市の特産品である登別ブランド推奨品と閻魔やきそばの販売、PR動画の作成、Little Glee Monsterさんからの応援メッセージの放映を行いました。次に、その経験からお話を頂き、登別市産業躍動部会とともに、登別ブランド推奨品を使用した、家庭で簡単に作ることのできるレシピ動画を作成し、登別市の公式YouTubeチャンネルで発信しました。そして、再び登別市と協力して、登別市が計画しているデリバリーサービスの対象である市内飲食店の取材を行い、パンフレットの記事として掲載していただきました。
現在は、それらの飲食店を紹介するための、若い世代をターゲットとしたショップカードの制作企画を市に持ち込み、若者を意識した言葉使いやデザインの工夫をしたショップカードを作成、またカードの情報を集約したwebサイトを制作に取り組んでいます。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

イベントやメディアの制作を通して、自分でアイデアを出すことの難しさや、大人の考えたプロジェクトに参加するだけではなく、自分たちのやりたいことも伝えたうえで大人と協力し、プロジェクトを進める大変さ、楽しさを学びました。また、登別に住んでいても今まで知らなかった魅力や活動、仕事に触れたことで、視野を広げることができました。これからはより視野を広く持ち、大学での学びや社会での活動につなげていきたいです。
ほかにも、探究活動全体を通して、他校の探究やほかのグループの探究との発表会があったことで、自分たちの活動をわかりやすく丁寧に伝えていくにはどうしたらよいかを学ぶことができました。

 

 

#15.YOUNGEYE(石川県)

 

 

身近にいるワクワクする人やイベントに、インタビューを行い、webメディアで発信するプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

ワクワクできるひとを増やすプロジェクトです。以前私は、住んでいるところになにもないと感じていました。しかし、地域に一歩踏み出し、新しいヒト、コト、モノと出会うことで、価値観が大きく広がり、生活がワクワクしはじめました。同じように、今自分の環境になにもないと感じている学生や大人へ、地方に転がっているヒト、コト、モノにまつわるワクワクを発信し、何か一歩ふみ出すきっかけをつくりたいと思いました。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

WEBメディア「YOUNGEYE」で発信していることは、2つあります。1つ目はインタビューです。ワクワクしている彼らの想いやこだわりをインタビューし、見てくれるひとへ新しいヒントや、ロールモデルとの出会いを提供しています。2つ目は、イベント紹介です。ひとつ目のインタビュー記事をみて、何か動き出したい、うずうずしている方に向けて、行動をおこす第一歩目となるイベントを提供しています。
大変だったことは、信頼関係を築き、透明な記事をつくることです。信頼できるイベントを紹介するために、文字だけのやりとりだけでなく、必ずzoomでお話ししてから、どんな思いでやっているのか、信頼できる人なのか判断して掲載しています。ただ情報を発信するのならば、SNSで充分です。常にYOUNGEYEの軸からブレないか、誰に届けたいのかチーム内で「?」を持ったものはきちんと共有するようにしています。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

自分と誰かを比べることをやめました。インタビューの中で、どれだけ輝いて活発的な人でも、障害はあって、それなりに悩んでいました。だけど、ありのままの自分を受け入れていました。「好きを探求するひとを応援するYOUNGEYE」みたいなマインドでやっていますが、実は自分自身が、これといった「好き」がなく、浅く広くのタイプで、そのことをコンプレックスに感じていました。そういう自分も好きになろう。自分は自分で素敵なんだ、そんなワクワクへの第一歩が踏み出せたと思います。

 

 

#14.我ら釣り隊ナマズチーム(岡山県)

 

 

ナマズを使ったおにぎりの商品開発を行い、学校の文化祭や地元の飲食店で販売を行ったプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

私はナマズを使った料理で地域活性化や食文化の復活を目的とし、探究活動をしています。きっかけは趣味でしていたナマズ釣りです。用水路などで簡単に釣れて沢山いるナマズは食べられないのかと考え調べた結果、昔は食べられていたことや、うなぎの代用品としても注目されていることも分かりました。そこで実際にナマズの味を知るべく天ぷらにして食べてみたところ、中はホロホロで外はサクッとしていて、これまで食べたことがないとても美味しい味覚と食感でした。なのでこのナマズをもっと色々な人に食べてもらい、魅力を伝えたいと思い、この探究活動を立ち上げました。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

当初はナマズの天ぷら定食を開発し、地元の方に試食会を行い、好評をいただいていたのですが、コロナが発生してしまい、テイクアウトできる天むすを思いつきました。そこで、地元のおにぎり屋さんに共同開発をさせていただけないか相談したところ、快く受け入れてくださいました。そして、フィールドワークを10回ほど行い、ナマズの天ぷらを使った天むすと、ナマズのかば焼きを使った炊き込み握りを考案し、試作を重ね、完成させました。そこで文化祭で200個販売したところ、好評を得ることができ、おにぎり屋さんでも販売することになり、そこでも大盛況で、地元の新聞にも掲載されました。今後は養殖に挑戦し、食べるだけでなく、生産することで、持続可能にしていきたいです。

 

③プロジェクト/探究の中で、どのような試行錯誤や仮説検証を行ってきましたか?

 

「ナマズはちょっと、」試食会を開いた時、この言葉がとても悔しかったです。そのためにナマズの先入観をどう無くすのか、見た目や臭いををどう改善するのか、話し合いを重ね、合わせる食材も工夫しました。見た目でナマズの身を小さく切るなどし食べやすい大きさにするなどしました。そうして作ったおにぎりを販売した結果、生徒や先生方、地域の方になまずは食べられるんだ、美味しいということを知ってもらうことができ、ウナギの代用品ではなく新たな水産資源としてのナマズの価値も生み出せたと思います。

 

 

#13.未来合成プロジェクト~地球の自律神経を目指して~(群馬県)

 

 

様々な環境問題を抱え、惑星としての機能の限界を超えつつある地球を救おうと、合成生物学を用いて、新たな微生物の開発に取り組むプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

最近の地球の様子は、ちょっとおかしいです。毎年のように世界各地で大きな変化が生じています。こうした変化は、総じて地球上の物質の収支バランスが、既存のシステムでは対応できないほど変化しているためだと言われています。地球は自律神経失調症を患っているかのように、自身の恒常性を保つことができなくなりつつあります。こうした状況に対応するため、私は新たに設計した生物を用いた「地球の恒常性維持システム」の構築が必要だと考えました。そうした生物をデザインするための「合成生物学」。それを使って健全な未来を創るプロジェクト。それが「未来合成プロジェクト」です。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

このプロジェクトは元々、「側溝にあるヘドロをいかにして減らすか」という問いから生まれました。ヘドロの主な構成要素である有機物は窒素を含んでいます。しかし、自然界で窒素を分解する生物の数は十分ではなく、人間活動によって大量に発生した有機物の分解に追いついていません。そこで、この物質を分解する微生物を作りたいと考えました。しかし、学校の探究の時間に集まったチームでは経験や設備、法律、研究倫理などの観点から研究の立ち上げが難航してしまいました。そこで、地元の大学に相談したところ、ご協力いただけることになり、連携して開発を進めています。また、より研究を進めるために、国際的科学技術人材育成プログラム(ROOTプログラム)にも参加し、実際に研究ができる「実践ステージ候補生」に選出されています。
今後については、新たな微生物を作るというこのプロジェクトでは民主的な開発であることが必要であると考えているので、実現に向けて、社会のさまざまな人が知見やアイデア・要望を共有できる場の構築も目指したいと思っています。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

このプロジェクトを始めて分かったことは、理想的な目標と現実的な解決案の間にはかなり大きな差があるということです。経験が少ない今の状態では、机上ではうまくいっていたことでも現実的な解決案を考える段になるとその完成度の落差に動揺してしまうということが頻繁にあるということがありました。また、チームメンバーや先生方と協力して進める上で、どうしても自分の考えが伝わりにくいことなどもありました。こういった経験から、プロジェクトの目標には頻繁に立ち返り、それに対してミクロな視点とマクロな視点を使い分けることが大切であるということを痛感しました。

 

#12. 校内限定ECサイト 「R-Order」(千葉県)

 

 

校内で店舗営業しているコンビニの商品を、生徒がオンラインで注文・配達されるプラットフォームをアプリで開発。学校や業者と協議を重ね、校内で正式に運用することを目指したプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

自分の学校では、コロナ禍で、校内のコンビニに入店制限が設けられたことにより、生徒が利用しにくくなり、コンビニの売上も減少していました。自分はプログラミング同好会に所属しており、「自分のプログラムを通じて、みんなの役に立ちたい」という思いがあったので、感染対策を維持しつつ、生徒がコンビニを快適に利用できる環境をプログラムで作りたいと思いました。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

「R-Order」プロジェクトでは独特なビジネスモデルを考えました。授業中の時間帯は、お客(つまり生徒)がコンビニに来ない為、校内のコンビニの定員さんが、生徒がアプリで注文した商品を、その生徒の教室まで配達し、休み時間になるとその生徒は教室の前で配達された商品を受け取れます。簡単にいうと、学校版Uber Eatsです。 アプリを0から一人で開発し、制作に一年以上の時間がかかりました。技術的なことに関しては、海外サイトでも調査を行い、SNSで質問などもしました。 また導入のために、生徒会長となって、学校の先生やコンビニの方などの関係者へアプリ導入に関する説明を、それぞれ相手の懸念を払える様に説明し、仕様変更を行なったり、評議委員会を作りました。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください。

 

コンビニの方との協議の上、アプリが完成し、いざ学校へ導入を持ちかけましたが、なかなか許可がでませんでした。学校側の事情もよく理解できましたが、自分に期待してくれた生徒や、協力してくれたコンビニの店員さんのことを思うと、諦めるわけにはいかないと思い、学校・コンビニ・生徒で評議委員会を結成し、各々の要求を共有し協議を重ねていった結果、段階的に導入してくことが決まりました。このことから、各関係者の立場によってそれぞれ違う優先度やリスクがあり、各関係者が個別に対話・解決するのではなく、全員で共有し解決していくことが必要であることを学びました。

 

 

#11.やがて群衆の前に立て(静岡県)

 

 

だれもが自信をもったリーダーになることを目指したプロジェクト。地域のあらゆるリーダーにインタビューを行い、リーダーのパターンランゲージを作成、ワークショップを開催しました。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください!

 

元々私たちは、地元である清水市の商店街を活性化したいと考えていた。しかし、実際に何をすればよいかわからなかったし、そもそも私たちに人を動かす影響力はあるのか、そしてリーダーシップに自信がなかった。そこでリーダーシップとはなにか、どうしたら身につくのかを解明し、だれでもリーダーシップを身に付けられるようにしたいと思った。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください!

 

まず、リーダーとは何か知るために、論文を7本読み、リーダーとは「観察力と統率力を持つ信頼の厚い人」という仮説を立てた。しかし、地域のあらゆるリーダーをされている方に
インタビューを行い、回答を検証していくと、リーダーシップの在り方はさまざまで一つに絞るのは難しいことがわかった。そこで、その人らしいリーダシップを発揮するにはどうしたらいいか考え、リーダーシップのパターンランゲージを作ることにした。具体は違えど、根本にある共通のパターンを見出し、具体と抽象の間で言語化することで、リーダシップを身に付けたいと思っている人へのヒントとして、そこから自分なりに考えて行動できることを狙いとした。インタビューから重要だと思ったことを300枚の付箋に書き出し、分類、パターン化し作成。学校内でワークショップを開催した。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください!

 

プロジェクト立ち上げまでは、色々なことに対して受け身だったし、誰かの指示を待つことが多かった。しかし、この活動を通して、自分から調べたり、探したり、動いたりすることで、いかにこれまで狭い世界にいたかということと、高校生だから何もできないということはない、自分で動けば、何かはできる、だれかが応援してくれる、そうして、新しい世界を発見できることが分かった。

#10.伝える過去、創る未来、敦賀高校創生部(福井県)

 

 

かつて移民を受け入れていた敦賀の歴史や当時の人々の想いをガイドとして発信することを通して、敦賀を差別などないよりよい町にしたいと取り組んだ活動です。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください。

 

コロナ差別に関するニュースを見たことをきっかけに、地元敦賀を差別問題を発生させない、よりよい街にしたいと「創生部」を結成。かつて敦賀はポーランド孤児やユダヤ難民を温かく受け入れた歴史があることに着目し、港町として栄え、多くの人が行き交う多様性に寛容であった敦賀の歴史を今に蘇らせ、街づくりに役立てたいと考えた。
そして、令和2年はその歴史を展示している「人道の港敦賀ムゼウム」リニューアルの年。今一度当時の歴史にスポットを当て、多くの人たちに当時の難民や孤児を受け入れた敦賀の人たちの想いを追体験してもらうために、敦賀ムゼウムでのガイドを担い歴史を発信しようと考えた。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください。

 

まず、歴史を知ることから始め、差別が拡大した結果であるホロコーストについて、本を読んだり、敦賀ムゼウム館長の西川さん、アウシュヴィッツミュージアム日本語ガイドの中谷さんに講演を依頼し、全校生徒向けの講演会を主催した。そして、次にガイドの原稿作成にとりかかり、本を読みつつムゼウムスタッフとの検討会を重ね、原稿を作成した。原稿完成後は現地研修を繰り返し行い、一般向けガイドを開始。多くの団体へのガイドも重ねつつ、より伝わりやすいガイドを目指し、舞鶴引揚記念館語り部との交流を行った。

 

③あなたの探究/プロジェクトで、どんな価値を生み出せたと考えていますか?

 

いつのまにか自分たちの活動の目的がガイドをすることになってしまい、本来の目的はコロナ差別をなくしたり、市民の方が人権意識を持つことであり、自分たちの活動が本当に正しいのか悩んだ時期があった。それでもガイドをし続けた結果、多くのメディアに取り上げられるようになり、私たちの活動の認知が広まり、声をかけられることが多くなった。そのとき、私たちの活動を知ってもらうことで、人々に少なくとも歴史や人権について考える「きっかけ」を提供できているのではと思うようになり、そこで初めて活動の意義を感じることができた。私たちにできることは、考え方を強制することではなく、自分たちが勉強してきた事実や想いを伝えることだ。いつかだれかとだれかの会話の話題になってくれることを願って、地道に活動を続けていこうと思った。

 

#9.子飼にikoka(熊本県)

 

 

地元の商店街の活性化を目指し、幅広い年代が参加できるイベントを企画し、商店街や地域全体を巻き込み実施したプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください!

 

私たちが目指すのは地元の子飼商店街の活性化です。熊本の台所といわれた子飼商店街は、いまでは店舗数も減少し、商店街に訪れる人も減少してしまいました。その原因は町の高齢化、若年層の来街者の減少だと知り、もっと若者に商店街を利用してもらうためにイベントを開催することにしました。

 

②プロジェクトの実施内容を教えてください!

 

高校生に商店街にどんなお店があったらいいかアンケートをとった結果、多くの学生が気軽に勉強できるスペースを求めていることが分かったので自習室を企画、また、より多くの参加者を集めるために押し野菜の販売会を行おうと考えました。最初は商店街の方に「それでは商店街の利益につながらない」と反対されてしまいましたが、商店街の利用で自習室の利用料を割引きなど、商店街と関わるシステムにし、春休みに2週間実施しました。しかし、自習室の客足は伸びず、押し野菜も売上が上がらず、運営費は赤字となってしまいました。

このままでは終わりたくないと思い、前回の反省をもとに自習室のシステムや商品、宣伝を考え直し、今度は夏休みをまるまる使い、高校生が小中学生の宿題をお手伝いするイベントや、高校生向けの進路相談会も加え、そして「こかりんピック」(こどもたちにスタンプの用紙を配り、商店街の人とじゃんけんをし、スタンプを集める)という、小さな子供からお年寄りまで参加できる、商店街全体を巻き込んだイベントを企画しました。運営費は地元の銀行に協力いただき、クラウドファンディングを実施、目標金額を上回るご支援を頂きました。そうして、実施した結果多くの方が来てくださり、商店街の方からも「こんなに子飼商店街が盛り上がったのは久しぶり」だという声をいただくことができました。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください!

 

一番の学びは人と人のつながりの大切さを知ったことです。成し遂げるために様々な人に協力いただくことの大切さ、そして意見がぶつかることも少なくありませんでしたが、すべてはイベントを成功させたいという思いがあったからであり、諦めず話し合うことの大切さを知りました。私たちの活動に関わってくださった全ての方にとても感謝しています。

 

#8. 〜みんなのゴミを洗剤へ〜 廃油由来洗剤を届けるポートサボン(東京都)

 


サステナブルな取り組みをもっと日常生活に溶け込ませるために、食配会社と提携して家庭からでる食廃油から洗剤を作り、再び家庭に届ける活動です。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください!

 

「意識高い系」「とっつきにくい」とされているサステナビリティーをよりライフスタイルに浸透させていき、サステナブルが当たり前のライフスタイルを築く」ことが私たちの目的である。ある調査によると、サステナビリティについての認知度は7割であるのに対して、実際に行動に移せている人は2割だということがわかっている。社会はサステナブルを目指しているのにもかかわらず、実際はアクションに写そうとしない方が多いのだ。サステナビリティーをみんなの日常生活に溶け込ませていくために廃油や洗剤という日用品を通して親しみやすい角度から実現したいと考えた。

 

②プロジェクトの実施内容を教えてください!

 

このプロジェクトでは家庭から出る食廃油を回収し、それを元に洗剤を作り、再び各家庭まで宅配する。こうすることにより、廃棄物の削減に繋がったり、自分が出したゴミが価値のあるもの(洗剤)になることによってアップサイクルを身近に感じてもらうことができる。

また、このサービスを食品宅配会社の株式会社 OISIX ra Daichi様(以下オイシックス様)と提携することが決定した。

これまで実践したことは、学校での廃油から作る洗剤のプロトタイプ作成・洗剤OEMからのメンタリング、顧客への洗剤や廃油に関するヒアリング、食配会社に物流に関するヒアリング、企業へのプレゼンを行った。今後は洗剤のOEM委託、パッケージなどのトンマナ設定、オイシックス様とテストマーケティングを予定している。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください!

 

プロジェクトを進めるなかで、収益性の点から、メンターさんに「ターゲットを家庭から、飲食店のみに絞るべき」と言われ悩んだが、それでは自分たちのビジョンが叶わなくなってしまうと思ったので、そのアドバイスを取り入れないことにした。諦めずに複数の企業にコンタクトをとり続けたところ、最終的に賛同いただける企業と出会い、やりたいことが一歩近づいたので、軸をブレずに自分の仮説を自信をもって貫き通すこと、人とつながることでより大きなことに挑戦できることを学んだ。

 

#7.不登校ってどんな気持ち?(青森県)

 

 

不登校の子たちが居場所を得るために、当事者の周りにいる人々へ、まずは当事者の気持ちを知ってもらいたいと、トークイベントを開催しました。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください!

 

目指している未来は、学校に行きづらい、行きたくても行けない子たちが、周りの友達や大人たちに受け入れられて、一人一人に居場所がある未来です。 私自身中学校三年間不登校を経験し、学校に行けない私は生きてちゃいけないと何度も思うことがありました。 しかし、理解のある方々に出会ってそんな考えが変わり、とても救われました。 そこで不登校は一人で悩んでどうにかするものではない、周りの支えがとても重要だと気づき、 不登校当事者の周りの人たちの、不登校に対する理解を深めるためにこのプロジェクトを立ち上げました。

 

②プロジェクトの実施内容を教えてください!

 

不登校への理解を深めてもらうにはどうしたらいいのか考え、まず不登校の気持ちについていろんな人に知ってもらうということにしました。 どう発信するか考えた結果、私たち自身の口で発信するのが良いと思い、市街地の中心にある公共施設でのリアルトークイベントを実施しました。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください!

 

不登校にかかわる人もそうでない人もイベントに来ていただいて、不登校に対する理解が深まってとてもうれしかったのと同時に、自分たちも当時のことを振り返って、今生きて、こうやって活動ができていることに感謝しなければいけないということに改めて気づきました。

#6.子供も妊婦も孤立しない社会を(広島県)

 

 

困難な環境にいる妊婦の方に居場所を作りたいと地域の助産師や子ども食堂の方の協力を得て「妊婦食堂」に取り組んだプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください!

 

私はすべての女性が孤独を感じずに笑顔で出産を迎えられる社会を目指したい。自分が未熟児だったことから、助産師に興味をもっていた私は、母親が一人で育てられず育児放棄してしまった事件にショックを受け、そして、そうした背景には困難な環境で妊娠や育児をしている女性の孤立があることを知り、孤立している妊婦たちが繋がれる場を作ろう思った。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えて下さい!

 

当事者の声を聞くために、妊産婦の方へのヒアリングや、ケア施設への訪問を行ったり、市長へ産前産後のケア拡充の提案、助産師とも密に対談を重ねるなど問題理解を深めてきた。

そして、助けの声をあげることができない彼女たちに必要なのは、まず悩みや想いを語れる場であると感じた私は、妊婦同士で悩みを打ち明けられる場所を作りたい、と思い、地域の助産師等の専門家のアドバイスのもと、孤立し人と関わる必要性のある妊産婦を対象に、子ども食堂とタッグを組み「妊婦食堂」を企画。一から資金集め・食材集めを行い、対象者へ宣伝を行った。コロナ禍で食事の提供はできなかったが、農家さんから頂いたお野菜の配布と栄養士の方に考案いただいたレシピを一緒に渡した。今後も持続していくことで、本当に必要としている方へ支援を届けていきたい。

 

③嬉しかったことや勉強になったことを教えてください!

 

高校生でなにも分からず未熟な私の話を聞いてくださり、想いに賛同してくださり応援してくれたこと、また、「このプロジェクトを通して地域の妊産婦さんや子供たちの繋がりがより強まった」という意見を聞いて、周りの人に助けられ支えられてきた自分が何か人のために役に立てることができたことが心の底から嬉しかった。そして、1つの問題にはいろんな問題が絡み合っていて改善することは本当に難しいんだなと勉強になった。

#5.弁護人立会権の実現によって冤罪を減らす(京都府)

 

 

冤罪を減らすには弁護人立会権が必要だと考え、その実現に向け、国会議員への訴えや新聞社への報道依頼、大学生との講演実施に取り組むプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください!

 

私の探究の目的は、弁護人立会権の実現によって冤罪を減らすことである。 

 高校2年の始めにコロナで休校になり時間があったため、興味のあった法律の勉強を始めたところ、本では冤罪を取り扱った事例が多いように感じ、冤罪に関心を持った。調べていくうちに、冤罪被害に遭った方が話している記事を見つけ、そこには罪を犯していないのに長時間の勾留や取調べをされて苦痛を覚えたことや、無実が確定されてもなお、家族や職、名誉を失って苦しみ、平凡な日常が戻ってこないという現実が書かれていた。私はこの記事を読んで、罪を犯していない人が捜査側の誤ちで人生を奪われるという現状に憤りを感じ、私の手で冤罪を絶対に減らしたいと思い、取り組みを始めた。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください!

 

最初は冤罪について検察官や何人かの弁護士に話を伺ったり、講演会に参加して知識を深めた。そして、刑事や警察による拷問等の不当な取調べによって早く解放されたいと感じる被疑者が虚偽の自白をして、冤罪は成立するとわかり、弁護士が取調べに立ち会う弁護人立会権の実現させることが、不当な取調べをなくすことにつながり、冤罪を減らせるのではないかと考えた。

 そこで、弁護人立会権を日本で認めてもらうためには、まず国会で議題にあげてもらう必要があると考え、3人の国会議員に検討を嘆願する手紙を送り、返事をいただいた。また、世間の弁護人立会権への関心が高まれば次第に国会で検討の動きがでると考え、新聞社に弁護人立会権について報道依頼を行った。現在は大学生と連携して講演会を行うため準備を行っている。

 

③プロジェクト/探究を通して学んだことを教えてください!

 

新型コロナウイルスの影響で計画が中止や失敗することが多かった。これまでの自分は失敗すればそこで引いていたが、この探究で何人もの方に協力していただいたことで自信がつき、失敗しても諦めなくなった。

 また、冤罪について改めて学び直す機会が多く、冤罪という深刻な問題に高校生にできることはない、と後向きに考えてしまうことがあった。しかし、何もしなければ何も変わらないと思い、小さなことでも私にできることはあり、必ず解決に繋がっていると前向きに考えるようになってアクションを進められた。

 さらには、探究を2年間行って自分の将来像が大きく変わった。これまでは冤罪を減らしたいという思いで弁護士になることを夢にしてきたが、検察側に立って自分自身で日本の取調べ方法を変えていきたいと考えるようになった。

#4.Don’t Stop Music!(新潟県)

 

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください!

 

私は音楽をしています。創り、歌い、弾きます。中学生の時は完全に自己満足のためにしていました。美しさだけを、音楽の中の美しさだけを追い求めていました。 しかし、高校生になり、美しさを追い求めることは前提に、「誰かの幸せになれるような音楽」を考え、そして届けることに意味があると考えるようになり、考えたプロジェクトです。さらにコロナウイルスの流行と重なり、以前よりも肌で感じる音楽体験が少なくなりました。肌で感じる新しい音楽体験をもっと追いたい、そんな思いも重なり、考えました。「1人でも多くの人が幸せになれる世界」に向けて、自分の武器である音楽を振りかざし、必ず、1人でも多くの人に自分の音楽を届けます。美しさを届け続けます。そんな思いで立ち上げたプロジェクトです。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えて下さい。

 

新潟市西蒲区岩室地区で行われたローカルロックフェスティバル「いわむロック FESTIVAL 2021」の今回から始まった「U21オーディション」に応募、合格をいただき、ステージに立ち、シンガーソングライター活動を本格的に始めました。 ほぼ初めての「肌で感じる音楽を届ける体験」、とてもたくさんの学びがあり、どうか届いて欲しい、そんな思いで作った8曲を披露しました。多くの方に聞いていただき、とても嬉しい半面、もっと成長しなければと感じました。 また、自主的に配信ライブを定期的に行いました。さらに、私は演劇部の部長です。演劇内のBGMの作曲を行いました。シーンや、登場人物の感情に合わせ「言葉にできない感情」を表現する音楽を「クライアント」の意向に合わせ、自己表現以前に「演劇のための音楽」を作る経験をしました。 ここから、感情とメロディーには一定の規則性があり、そこを深く追求することで、新しい「ライフスタイルを支えるメロディー」を研究できるのではないか、と検討しています。

そして、この先もシンガーソングライター活動を続け、1人でも多くの人に音楽を届けます。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください!

 

中学生のときは考えてもいなかった、「自分がステージに立つ」こと。高校生になって、憧れていましたがコロナウイルスにより踏み出せず。 2年生になり、ようやく踏み出すきっかけとなったものの一つが、このマイプロでした。シンガーソングライター活動というものを通して、音楽の面でも人間性の面でも大きく前へ成長しました。自分でも、歌唱力も伸びたと思うし、自己満足だけで作っていた音楽も、「どこかで聞く誰か」を見据えた音楽作りになりました。しかし、その中にも「美しさを追い求める」という自分らしさを忘れずに音楽作りができていると思います。そんな良い状態に変化しました。新しさ、常識を疑い続け、1歩先を考え続ける音楽体験を僕は届けたいと考えるようになりました。絶対に、必ず僕は良い音楽を届け続けます。どうか僕の音楽が、パンに塗るジャムと同じように、生活の中に添えられた良い存在になるように願い続け、努力し続けます。

 

#3.究極のおくみのカレーをお家カレーに!(岐阜県)

 

 

郡上市の名物グルメで、地域の食材が沢山使われ地産地消にもつながる「おくみカレー」 に着目。その普及と地産地消を目指し、家庭でも手軽に再現できる独自の粉を開発したプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください!

 

郡上のグルメであるおくみのカレーの認知度調査を校内、岐阜大学などで行った結果、認知度は高いものの実際に食べたことがあるという人は少なかった。その原因としておくみのカレーはわざわざ家やレストランで食べるものではないという考えや、レストランで食べるには値段が高すぎるという意見があった。
そこで、郡上の名物であるおくみのカレーを後世に残していくために、おくみのカレーを家でも手軽に楽しめるようにし、郡上の家庭の味にしていくべきだと考えた。そこで今回のプロジェクトを立ち上げた。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えて下さい。

 

二種類の味噌のちょうどよい配合率を実験で調べカレー用味噌を調合。 より手軽におくみのカレーを楽しむためのみそ粉を開発(熱乾燥式とフリーズドライ式)。 駅舎カフェでプロトタイプみそ粉を配布し、QRコードでアンケートを実施。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください!

 

長く人々の生活に残っていく良いものを作るには様々な人の立場で考えたり、実際にいろいろな人に出会って、話を聞いて、広い視野を持つことをしなければならないと気付いた。手軽に普通のカレーをおくみのカレーに変えることができ、辛さも調節でき、万人が楽しめるようなみそ粉はその気付きの賜物だ。
これまでは何もかも自分一人でやってしまうほうが考えをそのまま形にできるし楽だと思っていた。しかし、さまざまな人の考え方や協力のおかげでここまでのことができたことから、人とのつながりの大切さに気付くことができた。おくみのカレーが生産者と消費者の懸け橋になるように、これからもいろいろな人とのつながりを大切にし取り組んでいきたい。

 

#2.itoma(神奈川県)

 

 

悩みを抱え込む中高生やその周囲の力になりたいと、悩みを共有できるネット上の体験談掲示板の作成や、メンタルヘルスに関する正しい情報をSNSで発信するプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください!

 

私たちは「精神的に辛いが誰にも相談できない」という状況に苦しむ中高生やその周りの方々の支えになりたいと考え本プロジェクトに取り組んでいる。

 きっかけは仲間が精神的に苦しんだ時期に、その仲間が恥ずかしいという思いから、親や先生に相談できなかったこと、また自身も仲間への接し方や言葉掛けに悩んだことから、過去の私たちと同じような思いをしている中高生を助けたいと思った。

 

②プロジェクト/探究の実施内容を教えてください!

 

精神的な悩みを抱える中高生のための体験談掲示板をエンジニアの方と共同で作成した。中高生として精神疾患を克服した方・克服中の方が集い、それぞれの経験や思いを吐露できるスペースだ。①掲示板上の言葉や反応が増えるにつれて木が成長し、②コメントや反応は本人のみが閲覧できるという特徴を持つデザインに設計し、承認欲求の防止とサイトを訪れる方の一体感の促進を行っている。ウェブサイトは、私立の中学校・高校3校への問合せとSNSを活用して中高生間での周知を図った。今現在は行政に問い合わせており、公立の学校でも導入していただけないか調べている。

 また、Instagram・Twitter・TikTokの三つのプラットフォームでメンタルヘルスに関する情報を発信し、1人でも多くの方が偏見ではない正しい情報を届けることを試みた。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください!

 

本プロジェクトのヒアリングや調査を通して、やはり「精神的に辛いが誰にも相談できない」という中高生はとても多いことを感じた。また、tiktokでは沢山の中高生の方々が辛い気持ち・思いを吐き出して下さったため既存のサービスのみではサポートが不足していると思った。だからこそ、本活動をより多くの方に届けたい。

 そして、サイトを運営する中で「心が少し楽になった」「ありがとう」などの言葉をいただくことができた。活動を開始するきっかけは自分たちの困りごとへの解決策を見つけたいという願いだったが、その追求を通して実際に誰かの居場所を築けていることに大いに感動した。仲間が見つかれば、2人からでも人の力になることができる。その学びを生かして今後も活動していきたい。

#1.島そうじプロジェクト(沖縄県)

 

 

島の海洋ごみ削減のため、島中の人が楽しく 参加できるビーチクリーンの開催や、クラウ ドファンディングで資金を集め、漂着プラご みから製品を作り販売を行うプロジェクトです。

 

①プロジェクトの目指すところ(目的)とその背景を教えてください!

 

この島そうじプロジェクトは、3年前に誕生し、現在、私達まで受け継がれてきました。そのため、現在のプロジェクトメンバーには、立ち上げ当時に関わった人はいないのですが「目指している未来」や「誕生した思い」を受け継ぎ活動しています。島そうじプロジェクトの誕生したきっかけは、海岸にある海洋ゴミの多さに衝撃を受け、「石垣島の海の魅力を守りたい」「30年後の海をきれいに」という想いから誕生しました。そしてこの小さな石垣島の高校生の小さな活動から少しずつ広がり自分たちの住む石垣島から世界中まで少しでも地球が良くなることを願い、自然豊かな地球の未来を目指して活動しています。

 

②プロジェクトの実施内容を教えてください!

 

主な活動の1つ目は、ビーチクリーンです。ゲーム性を取り入れたりなど、面白く持続的で、誰もが参加できるよう工夫をしながら、これまで10回ほど行っています。2つ目は、拾ったプラゴミが海外へたらい回しにされていることを知り、ゴミ拾いだけでは問題は解決しないことがわかりました。また捨てられてしまった漂着プラごみが可哀想だと思い「ゴミでも魅力にできる」と考えました。そこで、プラゴミから製品を作るプレシャスプラスチックというものを見つけ、クラウドファンデイングで資金を集め、漂着ゴミからコースターやキーホルダーを作り、販売しています。今後は、これまでの活動の継続と海岸に皆が入れたくなるような海洋ゴミ箱を設置するという新企画に向けて活動していきたいと考えています。

 

③プロジェクトを通して学んだことを教えてください!

 

元々、心のどこかでは地球のためになにかしたいという思いがありましたが、実際の行動に移すことはできていませんでした。しかし、このプロジェクトに参加することで地球環境の現状を知り、それを改善するため、地球を守るために自分たちができることはないか考えたり、そして、それを実際に実行することができました。また、いろいろな場面で発表する機会をいただき、プレゼンテーションなどをして伝える力がついたと思います。そして、自身の未来の視野が広がったと思います。

 


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