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マイプロジェクト

地域Summit

2021.4.6

マイプロ高校生の取り組み紹介! N/S高・第1弾(小倉さん、倉田さん)

今回からの初企画!マイプロジェクト(マイプロ)に取り組む高校生たちの活動と、その中で抱いた想いに触れる特集を不定期で紹介していきます。(元マイプロ高校生の末本が担当します!)

 

「ネットの高校」として近年存在感を放つN/S高等学校。
通信制高校とネットの強みを活かした授業や、幅広いプログラムを持つことで知られている。そんなN/S高に、課外授業の一つとしてマイプロジェクトの立ち上げから実践までを行うプログラムがある。
課外授業という入口から、生徒がどのようにマイプロジェクトを広げていったのか第1弾、第2弾を通して4人の生徒から話を聴く。

 

今回の第1弾では、2年、3年と活動を続け、さらにアクションを発展させている2人に話を聴いてみる。
小倉さんは、山梨県早川町奈良田集落でかき氷屋「おんみつ堂」を開業。地元の天然氷や果物を生かしたかき氷をつくり奈良田ファンを増やしている。
倉田さんは、自身も抱える尋常性白斑という病気に寄り添ったUVカット専門のファッションブランドを立ち上げ、企画や洋服のデザインを行っている。

 

マイプロに取り組んできたこと、重ねた時間は2人の道をどう切り開いてきたのだろう。

 

Q:N高マイプロにはどのような経緯で参加することになりましたか?

小倉(以下、敬称略):学校からの案内メールで、マイプロの紹介を読みました。プロジェクトをするっていうことよりはアワードに出ること、プレゼンするところに惹かれました。
プレゼンに対するコンプレックスがあったので、それを克服したいなと思ったんです。
1年生の時は全日制の高校に通っていて、理数系科目や地域をテーマにしたプロジェクトをしてプレゼンするっていう授業があったんです。それまでは発表や自分を伝える場は結構得意な方だと思ってたんですけど、その学校ではプレゼンが上手な人がたくさんいて、次第に自分のコンプレックスになっていきました。
それを克服しないまま転入してしまったので、モヤモヤが残って逃げてしまったような気持ちでした。
そんな時、学校からN高マイプロの案内メールが届いて、もう一回リベンジしたいと思い申し込みました。

 

倉田(以下、敬称略):中学校の時に自分は成長できてなかったので、自分自身を変えたくて、N高に入ったらできること全てやるというのを自分の中で掲げていました。入学後にたまたま N 高マイプロを見つけて、とりあえず飛び込んでみました。
あとは勉強はそんなに好きじゃなかったから、課外活動は好きだったというのもありますね。

 

Q:プロジェクトのテーマを見つけるまでにはどんな経緯がありましたか?

小倉:テーマ自体は本当にギリギリに決まりました。最初は自分の動いてることとマイプロが繋がってなかったんです。
家族みんながかき氷が好きで、私も東京のかき氷屋さんで3ヶ月ほど修行していましたが、その時点ではマイプロとして動いているつもりは無かったんです。
家族で話しているうちにかき氷屋さんやりたいねと話すようになりました。なぜかき氷なのか、なぜ奈良田でしたいのかを自分の中で落とし込めていなかったけど、家族でかき氷屋さんしたいという想いは強くて動き始めました。
調べていくうちに、日本で数カ所しか採れない天然氷の産地のひとつが山梨だと知って、運命を感じましたね。

 

▶︎かき氷に使用する天然氷の切り出しをする小倉さん

 

倉田:とりあえず飛び込んだはいいものの、何をしたいか全くわかりませんでした。
たまたま親にに相談したら、自分自身の病気の患者会やコミュニティがあまりないし、自分でやったらと言われて。「じゃあ、やるか」というスタートで、最初は患者会を立ち上げるプロジェクトにしました。でもその当時は病気に対してネガティブなイメージを持っていたしあまりポジティブじゃなかったから、行動できず半年ぐらい経ちました。マイプロの「マイ」が無い状態だったかもしれません。
病気のことを手放したいという気持ちは不思議とありませんでした。病気をテーマに据えつつ何をするか考えた時に、ファッションが好きという自分の「マイ」を掛け合わせて何か出来ないだろうかと思うようになりました。
この課外授業で初めて人に病気のことを話して、ファッションという観点からプロジェクトに取り組みたいと伝えました。まわりからも「いいね!」とポジティブな意見をもらえたことも心強かったです。
1年生の頃までは自分と同じ病気の人と話したことがなかったけど、2年生になってプロジェクトを進める中で出会うことができました。
ある60代の患者さんの病気の発症は10代の頃だったそうです。50年もずっと病気で悩まされている人がいることを知ったのは衝撃でした。その人たちを助けたい、人のために動きたいと思える自分にも気づいて、そこからプロジェクトのビジョンも完全に決まりました。

 

Q:プロジェクトに取り組む中で印象に残ってる事、嬉しかったことは?

小倉:やっぱり営業期間ですね。夏の短期間しか営業してないのですが、自分たちに関わってくれてる人達の生の声を聞いた瞬間だったので、一番心に残ってるし、一番嬉しかったし、一番辛かったし、一番しんどかったし。全部の感情がありましたね。
営業中には地域の農家のおじいちゃん、おばあちゃんが食べに来てくれました。娘さんとかお孫さんとか、二世代、三世代で来てくれる人が多かったです。その人たちが「おじいちゃんの蜂蜜だよ」とか「このブルーベリーはおばあちゃんのだよ」って小さいお子さんに教えていたりとかっていうのを耳にしました。
仕入れ先の農家さんやいつもお世話になってる方に、恩返しとまではいかないけど何かできたかなという嬉しくなりました。

 

倉田:N高の起業部でプレゼンする機会があり、著名な方に自分のプロジェクトを発表出来たことが印象に残っています。
以前は活動に対して自信もなかったから堂々とできなくて、発表することが怖かったんです。
でもそこでは聴いていただいた方から良い評価がもらえて、ニコニコ生放送でも放送されていたのですが、流れてくるコメントも嬉しいものばかりでした。
それ以降プレゼンするときは知ってもらいたい、伝えたいという気持ちが強くなりました。自分の活動に対して自信がついたので、気持ちの持ち方はだいぶ変わったかなって思います。

 

▶︎倉田さんが自身のブランドで製作した洋服

 

Q:難しかったこと、苦労したことありますか?

小倉:学校的には自分一人のメンバーなんですけどやってるプロジェクトとしてはその5人家族で行っています。自分の性格的にも家族のノウハウ的にも、悩んでる時間よりもとりあえずやってみよう、動いてみてそこから決めようということが多いので立ち止まることは少なかったです。
だけど走りだしてしまってるからこそ、その時間でうまく意識共有ができてなかったり、話し合っていたつもりでも言葉が足らずな部分がありました。家族だからこその難しさっていうのが一番大きかったかもしれないです。

 

倉田:決断力と行動力は凄い苦労したし、モチベーションの安定は難しいと感じます。
正直なところ乗り越えられたかって言われるとそうではないなと思っています。
プロジェクトに取り組む以上、ついてくるものあって乗り越えるというよりかはどう続けるかが重要だと思うようになりました。続けていけばどんな形でも前には進んでいくと思います。
あとは洋服制作でもどう決断していくかが難しかったです。自分の好きなものを作りたいけど一般的に手に取りやすいデザインということも意識しなければならない。そういったバランスの取り方は難しかったです。

 

▶︎倉田さんのブランドでクラウドファンディングを行った時のもの

 

Q:マイプロを通して自分自身の変化はありましたか?

小倉:人を巻き込んでいくスキルが身に着きました。自分の母親が人を巻き込むのが得意なタイプで、その様子をそばで見ていたり、アイデアを聞いたりする中で学んでいけました。
大学とかでも積極的にプロジェクトやってきたいと思ってるのでその時に発揮できそうな力がついたなと思います。
最初の頃コンプレックスだったプレゼンという観点でも、1年目のプレゼン資料と見比べると構成やデザインが良くなったと感じます。まだ向上させたいところはあるけど、ひとまず過去を振り返ると成長しなたと思います。

 

倉田:ビジネスの知識がついたし、チームワークの必要性も実感するようになりました。
自分の自己分析もできて、知識も増えて、コミュニティも広がりました。
もうひとつは、病気に対しての自分のネガティブな思いを克服できたこと。
一番最初に考えていた患者会も、純粋に患者さんと対話をしたい、助けたいという想いで再び立ち上げました。当時は意識がなかったから諦めてしまったけれど、今はコミュニティがあればいろんなことできるし、僕自身も患者さんとの対話を経てすごく変わりました。
対話することで、僕自身のパッションが患者さんを勇気づけることもできると知れたし、ポジティブに話すことで、患者さんのコンプレックスを和らげることができると感じました。

 

Q:今後のプロジェクトや自分の進路について考えていることを教えてください。

小倉:今後はプロジェクトから家族経営の「おんみつ堂」として営業していく予定です。
私自身としては春から進学で北海道に行くので、大学でも新しくプロジェクトにチャレンジしていきたいです。
今は野生動物に関わっていきたいと思っています。マイプロに取り組んでいた時に、仕入れ先の農家さんから獣害の被害についてお話を聞くことがあり、自分も実際に被害を目の当たりにしました。でも奈良田で野生動物との暮らしの楽しさも知っている身なので、人間と野生動物がお互いの暮らしを大きく崩すことなく共生していくためにはどうすればいいのか学んでいきたいです。

 

倉田:大学に進んでからも今のプロジェクトを深めていきたいです。今考えているのは生地開発です。現状UV加工の生地は少ないので洋服制作の幅を広げるためにも生地を増やしたいです。それと紫外線も全く浴びないのも良くないので、過度な紫外線は弾きつつ適度に透すような生地が開発できたらいいなと考えています。
活動してきて、圧倒的に自分の知識が足りないなと感じました。紫外線のことも、病気についても。大学に行ったらできることも、繋がりも広がるだろうし、知識を深めながらより良いものを作って患者さんの持つ課題を解決していきたいですね。

 

▶︎小倉さんとそのご家族

 

【小倉さんと倉田さんのプロジェクト詳細とメッセージ】

小倉:私はマイプロが人生の中で結構大きいターニングポイントだって思ってます。自分もそうだったんですけど、何かいいことしなきゃいけない、大きい目標がないといけないってためらう人がいるかもしれません。だけど本当は全然そんなことないし、その自分の好きを貫いていい環境なのでぜひチャレンジしてみてください。
夏には奈良田にお越しください!
Instagram:https://www.instagram.com/onmitsudo/

 

倉田:とりあえず挑戦してみたらいいのかなと思います。始めてから考えてみるのもありかなと思います。動けば動いた分だけ得られるものもあるし、経験になる。
今取り組んでいる人は周りにプレッシャーを感じることもあるだろうけど、ちょっとずつ、マイペースに進めて困ったら人に頼ってみて欲しいです。立ち止まって、自分がやる必要があるのか、今自分がしたいことなのかも見つめてみて欲しい。今やりたいことじゃないと思った時に辞めるのもひとつの選択肢。選択肢は無くさないというのは、自分自身にも言い聞かせていることです。答えなんて無いから、良い悪いというより自分がどうしたいかを選んだら自分の幸せにつながっていく気がします。
<株式会社HAYATO KURATA 代表 倉田速音>
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(取材:末本晴香)

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