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マイプロジェクト

地域Summit

2022.8.10

【京都】8/3「第1回 総合的な探究の時間 意見交換会」を開催しました!


8月3日(水)13時30分〜16時、高校生マイプロジェクト京都実行委員会主催・京都府教育委員会共催で、京都府立高等学校教職員対象の「第1回 総合的な探究の時間 意見交換会」を開催しました。
当日は府内7高校8名の「総合的な探究の時間」を担当する教員の皆さんがオンライン参加され、宮津天橋高等学校の探究事例を学んだ後、ブースに分かれて意見交換を行いました。

 

今回の意見交換会は「京都府立高等学校における各学校の『総合的な探究の時間』の取り組みの現状を共有し、課題を見える化することにより、教員同士の学び合いのコミュニティを形成すること」を目的としました。
この場で探究に関する問題を解決するというわけではなく、まずは「各高校の悩みや課題を解決するきっかけを掴み取ってもらいたい」という思いがありました。

 

まず第1部では、京都府内にどのような探究事例があるかを知っていただくために、2021年度「全国高校生マイプロジェクトアワード」で「ベスト・マイプロジェクト賞」を受賞した、宮津天橋高校宮津学舎の「丹POPO女子プロジェクト」の動画を全員で視聴しました。

 

 

※「丹POPO女子プロジェクト」の詳細はこちらから!
【日テレNEWS24 チャレンジ・探究クラブ】 京都・丹後地域で在来種のタンポポの生態を研究「丹POPO女子が見つけたこと」
【広報みやづ 2022年7月号 No.791 P4・5】 第3話 丹POPO女子が見つけたこと

 

もともと生物多様性に興味があり、「タンポポ」という身近なところからテーマ設定を行った生徒。今回の意見交換会のゲストでもあり、この探究に伴走された多々納先生によると、アクションと問い立てを繰り返してプロジェクトを進めていくうちに、「どうしたら自分の真意を言葉で伝えることができるようになるのかを考えるようになった」「ある程度考察が進んでくると、今まで蓄積したエビデンスと、今後しようと思っていることをリンクさせてディスカッションするようになった」など、生徒には多くの変化があったそうです。

 

また、「生徒の探究が進めば進むほど、先生たちが分からないことも増えてくるのでは」という質問に対して、多々納先生は、「お互いのバックボーンや肌感覚を尊重しながら、ディスカッションやブレインストーミングなどで仮説を出し合って研究内容を深めていった」ということでした。

 

続く第2部では、実際に「丹POPO女子プロジェクト」に伴走した、宮津天橋高校の多々納先生から、「生徒の学びを最大限に引き出すために必要なこと 〜 生徒とともに『走りながら』見えてきた伴走者の景色 〜 」というタイトルで、事例共有いただきました。

 

 

※ こちらのレポートに、多々納先生が「そもそもなぜ探究を始めたのか」という内容が記載されていますので、理解を深めたい方は、ぜひご参考ください。
学校マイプロを紐解く④/一教員自らが探求し続けるー京都府立宮津高等学校・宮津天橋高等学校

 

多々納先生は島根県のご出身。3年間、島根県で教員をされていました。その後14年間、京都府内で教員をされています。
先生の原点は、島根県での教員生活にあるそう。教員住宅に住み、地域に根付いた暮らしをされ、とても恵まれたスタートを切られたとのことでした。
宮津天橋高校に赴任後、多々納先生はフィールド探究同好会(現在は部活動)の顧問となり、「やりたいこと・楽しいことをやってみよう!」と、生徒たちと地域に出かけていきます。ここでの体験が、現在の探究活動のコンセプトにつながっているそうです。

 

2017年から探究を担当された多々納先生。「自立する個性の育成」を目的として、「REALIZE!(気づく、実現する)」というキーワードを掲げ、テキストも自作されて探究に取り組まれてきました。宮津天橋高校での「総合的な探究の時間」では、教員の目線合わせを丁寧に行ったそうです。

 

そして、丹POPO女子のプロジェクトを含めて、「スタディーツアー」「大手川研究」の3プロジェクトに伴走した多々納先生から、生徒たちの探究の軌跡や、伴走で大切にされていることなどをお話いただきました。
丹POPO女子に関しては、多々納先生がタンポポ好きだったこと、2学年上の先輩の先行研究があったことが、このプロジェクトの背景にあったそうです。
また、プロジェクトをスタートするにあたって、安易に外来種の駆除や利活用・移入阻止などの結論に落ち着かせるのではなく、「まず既存の生態系を知ることが大切なのでは?」と提案もされたそうです。
多々納先生は、生徒と一緒に丹後全域の分布調査に出かけたり、(種子数、飛散力、発芽特性)などを明らかにするための実験に助言されました。その中で、以下の観点を重視して伴走されたそうです。

 

 

最終的には、生徒にとって丹後の「タンポポ」が故郷の原風景になったということに、嬉しさを感じておられました。

 

多々納先生は、探究をデザインするためには以下のことが大切になるのでは、と話されていました。

 

 

質疑応答の場面では、「探究の楽しさに行き着くまでの負担感や、前向きな気持ちになれないときの切り替えはどうしている?」という質問に対して、「人がやっていないことをしてみたいという好奇心。いろいろなところに顔を出して、まずやってみよう・いってみようの精神。その一歩から始まると思う」という想いを語られていました。

 

第3部では、参加教員が2つのブースに分かれ、参加者同士の意見交換を行いました。

 

 

この時間で課題や悩みに対する答えを出すのではなく、各高校や先生が探究で「目指していること」「そのなかでの悩みや課題」を共有し合う時間となりました。
「今後どのような課題に直面するのか想像ができないので、皆さんの課題感を知りたい」
「生徒がやりたい探究に向けて、どのような着地点に落ち着けるのが良いのか」
「主担当で進めている先生が転勤などされる前に、継続性を維持するためにどのような体制づくり・仕組みづくりができるか」
という課題が挙げられ、参加者同士での活発な意見交換が行われました。

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事例共有から意見交換を行ったこの意見交換会では、宮津天橋高校でのプロジェクトや伴走を事例に、府内の先生方のお悩みや課題感を共有しながら意見交換を行いました。
今後、このつながりを大切にしつつ、京都でより良い探究の土壌を作っていきたいと思います。
共催いただいた京都府教育委員会様、登壇いただいた多々納先生、ご参加いただいた教員の皆様、ありがとうございました!

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