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マイプロジェクト

地域Summit

2022.10.15

10/15マイプロ京都:「2022年度 第2回 総合的な探究の時間 意見交換会」を開催しました!

 

10/15(土)13時30分〜16時、全国高校生マイプロジェクト京都府実行委員会主催で、京都府立高等学校教職員対象の「2022年度 第2回 総合的な探究の時間 意見交換会」を開催しました。

 

当日は、府内外から約30名の教員・教育関係者・大学生の皆さんがオンラインで参加され、「高校現場のしくじりから学ぶ探究活動の失敗学」をテーマに、府内4先生から探究活動における失敗事例を共有いただいた後、各ブースに分かれて参加者同士の意見交換を行いました。

 

 

今回の意見交換会も、8/3(水)に開催した第1回意見交換会に引き続き、「京都府内における各高校の『総合的な探究の時間』の現状を共有し、課題を見える化することを通して、お互いに学び合い、より良い教育の場・社会を実現したい!そして、教員同士のコミュニティ形成をすること」を目的に開催しています。
第1回目の様子はこちらから!
https://myprojects.jp/news/16499/

 

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意見交換会前半では、「しくじりプレゼンター」からの事例共有ということで、府内4名の先生方にご登壇いただき、様々な切り口から、探究活動における失敗事例を共有いただきました。

 

まずは、花園中学高等学校の伏木陽介先生より「探究プロセスの苦労談“様々な人々との間(はざま)で”」というテーマでお話いただきました。

 

伏木先生は探究活動を進めるにあたり、管理職、担任・探究担当の先生方、保護者の皆さんとの関わりの中で、さまざまな「しくじり」に直面されたそうです。

 

 

その「しくじり」克服の道として、伏木先生は、フェイストゥフェイスや書面での「内部理解」醸成などを行う「積極的『対話』」が重要である、とおっしゃっていました。

そのため、伏木先生自身、通信や探究専用ポータルサイトの作成・更新を通して、探究の現状や環境、生徒の頑張りなどを、学内外に積極的に共有されているそうです。

 

続いて、京都府立宮津天橋高等学校宮津学舎の多々納智先生からは「生徒と教員、マッチングの”失敗 ”」というテーマでお話いただきました。

 

「自立する個性の育成」を目的に、2017年から「Safari」という名称で校内での探究活動を推進しておられる多々納先生。「調べ学習に留まらせない!」と、生徒への教育効果を高めるために、リアルに出会うことや人との関わりを大切にされています。たくさんの活動の裏側には、数倍の「うまくいかなかったこと=しくじり」が隠れているとのこと。

 

今回は、担当教員と生徒のマッチングの失敗について、具体的な2つの失敗事例をお話いただきました。

この事例から多々納先生が得られた教訓は、
① 教員自身が教え屋から脱却し、学びの場や仕掛け作りのプロへ
② 専門性も必要だが、生徒の「やりたい」を引き出す対話力が大切
③ 教員に伴走のニュアンスをちゃんと伝える
の3つであるとのことでした。

 

最後にまとめとして、生徒・先生方と「一緒に」やっていくことが、何よりも大切である、ということをおっしゃっていました。

 

そして3人目の「しくじりプレゼンター」は、立命館宇治中学校・高等学校の酒井淳平先生です。「校外団体との連携での”しくじり”」というテーマでお話いただきました。

 

酒井先生からは、特に探究活動における校外団体とのしくじり事例を2つ共有いただきました。さまざまな関係機関と協働する中で、特に生徒が校外団体とやり取りをする中で、たくさんの失敗を経験されたそうです。

 

ただ、このような失敗の過程で、「生徒は間違いなく成長した」と酒井先生はおっしゃいます。

 

校外団体との協働過程で様々な失敗事例もありますが、このような経験のおかげで逆に対話や学びのチャンスになり、先生同士の連携も深まったということで、酒井先生自身は、良いきっかけだったと振り返られていました。

 

最後に、4人目のプレゼンターとして、京都府立丹後緑風高等学校久美浜学舎の高尾幸弘先生に「集団作りの”反省文”」というテーマでお話いただきました。

 

高尾先生は、特に校内での集団作りについて、教員集団をいかに作っていくか、また探究学習における校内での理解をどのように図っていくのか、という課題感を抱えていらっしゃるということです。

 

高尾先生は集団作りについて、平田オリザさんの著書『わかりあえないことからーコミュニケーション能力とはなにかー』からお話を引用され、「人は同じものを見ていても、同じ感想は持たない。共感を得られるように、働きかける側の『世界観』を丁寧に伝えていく必要がある」という気づきを得られたとのことでした。

 

自分が良いと思っていることでも、価値観の異なる他者と、どのように探究活動を推進していくか。
それには、公式な会議などの場だけではなく、非公式な場(雑談や飲み会など)でも自らの「想い」を積極的に語ること、丁寧な計画を作ることが、大事であるということでした。

 

 

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後半は、参加者同士でブレイクアウトルームに分かれ、各ブースでの意見交換の時間となりました。

 

しくじりプレゼンターの事例を聞いての「気づき・発見・共感」や、自身の活動での「しくじりエピソード」をそれぞれが共有し、意見交換を行いました。

 

 

全体共有の時間では、各ブースから、以下のような声があがりました。

・活動している場所も立場も異なる参加者同士で苦労話などを共有でき、それぞれに違った悩みがあることが分かった!

・教員が「正解」ありきで生徒と向き合うと、いろいろな問題が起こってしまうのかもしれない。「問う」ことから始めてみて、答えがない課題に、どう一緒に向き合い、学んでいくのかが、大事なのではないかと思った。

・教えることと、伴走することのバランスをどのように考えていけば良いのだろう?

・どう教員同士のコミュニティを作っていくか。まずは教員が楽しむことが大切なのかもしれない!

 

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今回の意見交換会から、失敗事例を学び、各現場での実践に活かしていただければと思います。

全国高校生マイプロジェクト京都府実行委員会では、「京都で探究するならマイプロでしょ!」をテーマに、今後も府内でより良い探究/マイプロジェクトの土壌を作っていければと思います。

 

ご参加いただいた皆さん、登壇いただいた皆さん、ありがとうございました!

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