【事務局長blog④】全国のエントリー傾向から見る予感
全国のみなさま、こんにちは。
マイプロジェクト事務局長の今村亮です。
全国から集まったエントリーシートの書類選考が終了しました。これから地域ブロック大会が始まるにあたって、全国のエントリー傾向をお伝えします。
1.過去最大のエントリー規模
本大会は192高校より562プロジェクト(2,717人)のエントリーが集まりました。この規模は過去最大となります。
2.西日本の躍進、全国群雄割拠へ
都道府県分布で見てみましょう。東北から始まったマイプロジェクトアワードは、これまで東北優勢の傾向がありました。しかし、本大会では京都府・岡山県・広島県・長崎県・宮崎県など西日本からのエントリー数増加が顕著でした。地図で確認してみましょう。
青は30プロジェクト以上、赤は15プロジェクト以上、ピンクは1プロジェクト以上の地域です。
これまでも学校が集中する東京都・神奈川県はエントリーの多い傾向がありました。それに加えて、島根県・福島県は県教育委員会が積極的な施策を打ち出している地域です。長崎県では、総合的な学習の時間にマイプロジェクトを導入した長崎県立五島高校のプロジェクトが大多数を占めています。
3.「教育」「その他」テーマの拡大
次に内容の分布を見てみましょう。全国高校生マイプロジェクトでは、出場時に12テーマのどれに当てはまるかを選んでもらいます。テーマごとのプロジェクトは「みんなのマイプロ」に掲載されています。今年の分布はこちらです。
「地域活性」が多いのは例年の傾向ですが、「教育」「その他」が続く結果となりました。
「教育」分野では地域の小さい子どもたちのための活動や、同世代を啓発するための活動、またインクルーシブ志向の活動が増加しています。自校の教育魅力化をプロジェクト化するケースも見られます。「その他」分野では、ゲーム・音楽・スポーツなど趣味から始まるプロジェクトや、LGBTなど性自認の問題意識を持つプロジェクトが増加しています。
また各分野ともプロジェクトの手法としては、VR・ドローン・プログラミングなどテクノロジーの活用や、クラウドファンディングによる資金調達が目立ちます。
4.きっかけは「学校の活動」
そして本大会で最も顕著な変化だったのは、プロジェクトが始まったきっかけを「学校の活動」と回答した割合が最大となったことです。総合学習の授業をはじめ、探究学習・部活動・課外活動など、全国の高校で取組が多様化している現状を感じます。学校は今、変わろうとしているのでしょう。
マイプロジェクトを始める高校生にとって、重要なのはテーマとの出会いです。高校生たちはどのようにしてテーマを自分のものとして主体化していくのか。ひとりひとりの高校生に、ドラマがあります。
たとえば、強い原体験からテーマが導かれるケースがあります。昨年2017アワードの文部科学大臣表彰を受賞した「ユリアゲ Story Guide.」は、被災といじめという過酷な体験から始まったプロジェクトでした。
一方、多くの高校生は「自分なんて普通だし・・・」と思いながらプロジェクトを始めます。それでいいのです。誰にだって、人生の小さなきっかけがあります。その小さなきっかけを見つめ直し、地域に飛び出して真摯に向き合い、社会とつなげて考えることからマイプロジェクトの世界が拡がっていくのです。
しかし果たして、学校の活動で「マイプロジェクト」が始まるプロセスとは、実際問題どのようなものなのでしょうか?学校の活動から本物の主体性を引き出すため、どんな取組を仕掛けるべきなのでしょうか?
いま新年度に向けて、マイプロジェクト事務局には全国の高校・自治体・NPO団体のみなさまよりマイプロジェクトのノウハウ活用についてのお問い合わせが増加しております。全国で試行錯誤が進んでいる証拠です。この傾向は加速していくと予感しています。
そこで私たちは、2019年度「パートナー募集」という形で、全国へのノウハウ提供を開始いたしました。登録いただくと、「教材提供」「学びの発表会」2つのサポートをお届けいたします。
「探究」へと熱源が移行する新しい時代の教育を、マイプロジェクト事務局といっしょに歩みませんか。ご連絡をお待ち申し上げております。
▼パートナー登録について
登録期間:2/1~5/31(無料からご活用いただけます)
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▼導入事例について
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リクルート進学総研『キャリアガイダンス』で「探究が蒔いた未来の種」連載が始まりました。
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(文責:今村亮)