【レポート】⑭まゆ・やま・くるみ~川崎ワカモノ未来PROJECT
高校生が川崎のまちを舞台に、自分でプロジェクトを企画し実行する「川崎ワカモノ未来PROJECT」(以下カワプロ)。
6期の高校生たちのプロジェクトの内容を紹介しています!
最後は、全員の発表の中から選ばれて、2部へ進んだ、くるみ、やま、まゆ!
▼自分らしく生きるきっかけを「I am I」~くるみ
小学校入学時から11年間女子高で過ごしたくるみは、「らしさ」とは何だろうと考えました。
キックボクシング、フラメンコ、音楽、ダンスなど興味のあるものに積極的に取り組んできた中で、思わぬ場面で「女性らしさ」を求められ辛い思いをしたこと。
女子高の中ではどんな力仕事も性別によって分担されることはなかったのに、学校外の活動に参加してみると、重いものを男性が持つということが当然のように行われていたこと。
これらの体験から、気づかないうちに偏った考えを押し付けてしまう「アンコンシャスバイアス」についてみんなで話し合う場を作りたいと考えました。
オンラインでのイベントを開催するほか、InstagramやnoteなどSNS上でも気づきを促す投稿を始めました。
くるみの伴走は、カワプロOGのふきが担当。カワプロ3期で性的マイノリティについてのプロジェクトに取り組んだふきからの意見や提案が、くるみの考えを深めるきっかけになったと語りました。
目指すのは、「性別にとらわれずに、一人一人が輝ける社会」。「らしさ」を押し付けられて苦しむ子どもがいなくなるといい、との言葉で発表を締めくくりました。
▼スポーツイベントを開催!「ボッチャで人をつなぐ」~やま
高1のやまは、小学校のころ、周囲のペースに合わせられず支援級に在籍していました。
通常級との交流も少なく、「障害者」と「健常者」の壁のようなものを感じていたとのことです。
でも、パラスポーツを通じてその壁を減らせるかも、という思いつきからプロジェクトが始まりました。
まず、パラスポーツのひとつボッチャの体験会に参加。初対面の人とゲームが楽しめたことから、自分でもイベントを開催してみたいと考えました。
うまく集客できなかったところを市の職員の方の協力でなんとか乗り切って、ようやく実施にこぎつけました。
自分の呼びかけで人が集まり、楽しんで、笑顔になる経験はやまにとって大きなもので、コロナ終息後にはもっと大がかりなイベントを開催したいと意気込みを聞かせてくれました。
▼環境問題を身近に!「「仕掛け」から始まるサステナブル生活」~まゆ
テレビのドキュメンタリー番組を通じて、2030年が地球環境の大きな分岐点になることを知った高校2年生のまゆ。
環境問題について様々な記事や本を読んで、深く興味を寄せるようになりました。カワプロでもサステナビリティをテーマにしたいと考えていたところ、ゲストメンターから、「まず興味をもってもらうことから始めないと広がらない。環境に配慮した商品も、かわいいとかかっこいいというところから興味をもってもらって、流行らせることが大事なのでは?」との言葉をもらい、プロジェクトが具体化しました。
多摩区SDCでの学生カフェに話題提供者として登壇し、流行るゴミ箱についてアイデアを出し合ったり、子どもたちを対象にしたSDGsのイベントに参加したりと積極的なアクションの後、11月には地域イベントにブースを出展。小学生を対象に生分解性プラスチックを作るワークショップを開催しました。
自分の意見を伝えることが苦手だったというまゆですが、カワプロでの活動を通じて自分に自信が持てるようになったとのこと。今後は行動経済学を学び、さらに活動を広げていきたいと語りました。
すべての発表の最後に各賞の発表。
自分と向き合い、「やってみた」経験を通して自分の軸を見つけているという視点から、まゆの「「仕掛け」から始まるサステナブル生活」にベストプロジェクト賞が贈られました。
「ボッチャで人をつなぐ」(やま)にkawasaki特別賞が、「I am I」(くるみ)には審査員特別賞がそれぞれ贈られました。
3つの賞とは別に、運営から高校生ひとりひとりに、4か月の活動期間を象徴する賞が贈られ、大事な節目を共に乗り越えた喜びを分かち合い、ハナサクPresentationの閉幕となりました。この日までにあった様々なことが、思い出になり、糧になり、その先の道へと進む力となっていくことを感じさせてくれる、大切な時間でした。
当日の様子は、こちらから!
川崎市コミュニティチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=uhbsTFxJMFU
▼これまでのレポート
②一年に一度の集合日!カワプロカイギ
③「大切なもの」を届けたい
④「まちづくり×高校生」が始まる!
⑨まちの「跡取り」が地域で育つ
⑩今、花開く時
⑪こうすけ・かなで・かりんとう